運送業で生き残るための3つポイント【運送業の課題解決の着眼点:第9回】

これまで、運送業を営む経営者様が抱えていらっしゃる課題として、「実車率の向上」、「荷主の動向を掴む」、「人材の確保」の3つをテーマに、具体的な企業様の取組を例にご紹介してまいりました。

企業様のこれらの取組を微力ながらサポートさせていただいたり、経営者様との膝を突き合わせた議論を間近で見たりして、たくさんのことを学び、気づくことができました。
今回は最終回として、運送業界で生き残っていくためには何が必要になるのかをまとめたいと思います。


複数の課題と取組を関連付けて捉える

経営者の皆様は、複数の課題を同時並行して抱えており、その課題は顕在化しているものから潜在的な課題まで様々です。

また、経営資源は限られているため、その制約の中で課題への取組を行っていかなくてはなりません。

第6回では「優先的な経営課題(売上の一社依存度を下げる)を検討していく過程で、人材確保の課題を解決」した取組をご紹介いたしました。
M社の社長様のように、課題とその取組を1対1で対応させるのではなく、複数の課題と取組を関連付けながら、同時並行で課題に取り組んでいくことが中小企業にとって、重要なポイントになっていると考えています。


状況の見極めと決断力

いずれの経営者様もそれぞれの課題に対して、「なぜそのような課題が生じているのか」、「社内はどうなっているのか」、「会社が置かれている環境はどうだ」ということを冷静に見極め、課題に対して何から手を付けていくべきなのか、優先順位はどうかということを常に検討しています。

また、方針を定めていくにあたって、思い切った決断が必要なこともあります。

第1回では、短距離輸送に絞り、実車率を向上させたF社の事例を紹介しました。

F社の社長がこのドラスティックな判断を下すことができた背景には、前提となる条件として自社の置かれている経営環境を冷静に見極め、長距離輸送を止めることのメリットとデメリットについて、社内で繰り返し議論、検討を行っていたことがあります。

このように環境や状況を冷静に検証し、時には思い切った経営判断をするということも不可欠であると考えています。


同業他社よりも一歩先へ

今後、運送業界で生き残っていくためには何が必要になるのか、課題は様々ありますが、根底には常に、「どうすれば持続的に成長する会社であり続けるのか」ということがあると思います。
その中で、今回の連載でご紹介した企業様は、いずれもチャレンジ精神にあふれ、様々な取組をされています。

液体輸送を手掛けるA社は、それまでの業界の常識にとらわれず、新たな輸送システムを開発し、業界に広めようしています。
もちろん、周囲からの反発や軋轢もありますが、一つずつ課題や問題に対して真摯に取組み、着実に進んでいます。

現状で満足することなく、同業他社よりも一歩でも先に進み、会社を良くしようという経営者の強い思いも、持続的に成長する企業であるポイントだと考えています。

今回の連載はいかがでしたでしょうか?
経営者様と議論する中で、最も重要だと感じたことは、「課題を整理すること」です。
先にも述べましたが、経営者様は複数の課題を同時並行して抱えていらっしゃいます。

その中には、顕在化しているものもあれば、まだ目に見えず、場合によっては経営者様自身もお気づきになっていないものもあると感じています。

見えていない課題を表出化させていくことは簡単ではありませんが、実は、普段の何気ない会話にもその欠片はあることに気づかされました。
そういった課題を1つずつ整理していくことが、「会社を良くする」、「会社を成長させていく」ためには重要であり、そのサポートをするという、我々コンサルタントの役割を少しでも果たしていけるよう、日々、学んでいきたいと思います

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