事業コンセプトの中に光るもの(強み)がありますか?【実抜計画のスタートライン!自社のチャームポイントは何だろう?・第4回】

事業コンセプトをどう設定していくのかは、企業にとって、非常に重要な経営判断を伴います。
前回までのコラムで、新規事業をどう捉えるのか、O社様の姿を通してお感じ頂けたらと思います。
今回は経営革新計画策定に向けて、お話をしていきたいと思います。

さて、「そもそも経営革新計画の土俵に乗るのか」という目線を確認するために、まず最寄りの商工会議所に事前相談をしました。
(※直接県に提出するより、公的な支援機関を活用するとスムーズに進みます。)

早速、経営革新の概要について、社長から熱く語っていただくと、
「新規事業には新規性があり、売上もある程度見込めるのであれば、経営革新計画を策定しても、承認が通りそうですね。ぜひ、策定をすすめましょう」と、商工会議所の担当者よりお話が頂けました。

それを受けて、経営革新計画の打ち合わせは、
(1)事業コンセプトを検証する
(2)行動計画を立てる(前回お話しさせて頂いた部分です)
(3)数値計画を立てる

という手順で進めていき、参加者は社長様、幹部社員様、弊社コンサルタントとしました。

(1)事業コンセプトについて、メンバーで打ち合わせを行っていく中でポイントとなったのは、商工会議所の担当者からの「今回の新規事業は設備投資を伴うものですが、設備を購入すれば別の会社でもこの商品が製造できるのではないか?」という質問に対しての、打ち合わせ内容です。

社長様からは、
「ただ単に設備を購入しただけでは、きちんとした商品が作れない。機械での粉落とし(風合いや品質を損なわない加減が難しい)、加工品を機械送りする際に蛇行しないといったノウハウがあるのは多分うちしかない。なぜなら他社では人海戦術で対応しているので、機械化が進んでいない分野だから・・・」
「他社の製造方法や設備では、この部分が取り組めない・・・」

など、当社しか取り組めない技術的な強みが、次から次へと話が出てきます。

また、営業担当の幹部社員からも、
「新規事業は、別の顧客にも提案ができるのでは・・・」
「今後この分野は、こういった広がりを見せるのでは・・・」

という話が出てきます。新規顧客の開拓へもつながる可能性がありそうです。

事業コンセプトを検討していく上で、まずは他社と違いを検証し、光るもの(強み)があるのかを見極めながら、経営者・顧客や市場が分かる営業・技術が分かる製造、それぞれが喧々諤々(けんけんがくがく)と議論していくことで、強みを再認識し、新たな気づきが出てくると思います。

そういった風土づくり(雰囲気)も大事な要素になります。

また、第1回でお話しました「実抜計画」のポイントである実現性を高めていく上でも重要な要素です。
例えば、営業の方が自社の強み(差別化のポイント)を理解して営業をすると、提案営業(顧客ニーズを探り、自社の差別化のポイントを提案する等)ができます。

しかし、理解していない場合は提案営業ができず、なかなか商品が売れない、仕事がとれない、ということになるのではないでしょうか。

次回は、数値計画についてお話させて頂こうと思います。

次回コラム

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この記事の執筆者

澤田 兼一郎
(株式会社みどり合同経営 代表取締役/中小企業診断士)

立命館大学経済学部経済学科卒業、第二地方銀行を経て当社に入社。中小企業を中心に、経営計画や事業計画の実行性を高める、現場主義のコンサルティングを実施。
特に中小建設業、製造業の経営管理体制の構築、実行力を高めていく組織再構築等のノウハウ等について評価を受ける。

この記事の執筆者

澤田

澤田 兼一郎
(株式会社みどり合同経営
代表取締役
中小企業診断士)

立命館大学経済学部経済学科卒業、第二地方銀行を経て当社に入社。中小企業を中心に、経営計画や事業計画の実行性を高める、現場主義のコンサルティングを実施。
特に中小建設業、製造業の経営管理体制の構築、実行力を高めていく組織再構築等のノウハウ等について評価を受ける。

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