経営計画の進捗管理資料について
それでは経営計画を分解して、会議で利用していく資料について考えていくことにします。
まず、経営計画における行動計画を進捗管理していく資料として、2つが挙げられます。一つ目は、経営計画において達成すべきビジョンと現状とのギャップを埋めるための経営課題とそれに対する方針、具体的施策が一覧表になった『経営課題一覧表(図1)』です。二つ目は、具体的施策の内、段階的な進捗管理が必要なものを、一つ一つ議事録の履歴が残る書式で細分化した『実行計画書(図1)』と私どもが呼んでいるものです。
実際経営会議のたびに更新されていくのは、二つ目の実行計画書になります。基本的には月2回の会議の中で、経営計画により決定された行動計画の達成状況を確認していきます。お手伝いをしている中で、決定された行動計画が達成できていないということがどこの会社でも出てきます。そこで重要になってくるのは、なぜ具体的施策が実行できないのかの理由を確認し、新たな施策が必要であるのかを検討し、必要なら策定することです。
私自身も常々気をつけるようにしていますが、会議中は常に冷静に実行に移せない要因を探し出すことと、効果のある具体的施策を策定することが、一番重要になります。しばしば、できていないことを担当者のみの責任として、感情論に走り追求してしまう場面を目にしますが、結果として何も生み出さないというのが、私の経験上からも感じることです。重要なのは、効果的な行動すること、結果としてビジョンが達成されることです。
また、一つ目の経営課題、方針、具体的施策の一覧表については、常に実行計画書とも確認しながら議論することで、常に方向性が確認できるため、議論が迷走しにくくなります。また、具体的施策の修正にあたり、その目的や課題をすぐに認識できるからです。
常にこの2つの資料を利用することで、行動計画の進捗状況を確認していきます。この繰り返しの作業が結果を良くすることになります。結果は行動を通して生まれてくるからです。
図 1 経営課題一覧表と実行計画書(概略図)