会議の重要性について考えてみる(6)

全体会議の検討事項:受注済み工事の進捗状況

今回は、前回に引き続き現場担当者を中心とした全体会議の検討事項について考えていくことにしましょう。

前回は、3つの具体的な内容のうち、①営業の個別案件についての進捗状況の確認についてお話しました。おさらいすれば、営業見込み案件から管理担当者が知ることによるスムーズな段取り(コストダウン)を期待できることや、施主や発注業者からの要望事項の情報共有により、利益を確保しやすいということでした。

それでは、今回は、②受注済み工事についての進捗状況の確認について考えていくことにします。

②受注済み工事の進捗状況の確認については、現在進行中の工事ごとに確認をしていきます。ここでのポイントは、請求書着の実行予算数値の消化率ではなく、発注時での消化率の数値を管理していくことです。発注ベースの数値管理は、請求書ベースの管理よりリアルタイムに近く、その工事に対する対策を即座に打てるというメリットがあります。そのあたりの先行管理については、次の時にまとめて考えていくことにしますが、この数値での検証をしないと、結果だけの報告になり、打つ手がないということになるわけです。

次にここでの目的です。一般的に工事管理をしていく時に工事管理の担当者は一人であることが殆どです。ここが建設業界で他社との差別化の要因になるのではないかと、私が感じていることですが、一人一人が現場を担当することにより、人により工事のやり方が違うということです。悪い言い方をすれば、同じ会社ではあるものの、違う品質、コスト内容になっている可能性が高いということです。つまり、大きな目的は、品質やコストを社内共通のものにする為に、全体で集まって工事ごとに検証していくということです。

コストダウンを図るために、集中購買や部分発注を検討される企業も多いと思います。しかし、私の経験上のお話になりますが、まず個別工事についての検証を行い議論しなければ、全体としての、集中購買や部分発注を進めることは難しいと感じています。担当者には自身のやり方があり、しがらみがある為、そのあたりの共有から始めないと形骸化してしまうのです。

それでは、次回は③営業情報、工事施工管理における改善提案の確認について考えていくことにします。

 ポイント 

一人一人が現場を担当することにより、人それぞれやり方が違う

同じ会社でも、違う品質、コスト内容になっている可能性がある

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