情報共有に対する習慣付けと意識改革
前回まで、具体的な会議である経営会議と全体会議の内容について考えてきました。簡単に要約すると、経営会議は経営計画に基づいた経営課題に対するアクションプランの進捗状況の管理と改善アクションプランを考える場であり、全体会議は、具体的な営業案件から受注済み工事ごとの検証を行い、各従業員が持っている力を組織のノウハウとして共有する場、つまり組織力として高める場ということになります。
会議の必要性については『会議の重要性について考えてみる』の初めでも説明しましたが、情報共有する場を作らなければ、従業員の力を会社の力にはできないということです。私どもは、会議という手段が一番効果のあるものだと考えていますが、手段は会社によりいくらでもあるはずです。情報共有をする習慣付けを社内で定着させることが重要です。
私どもコンサルティング会社から言いますと、実は、情報共有を習慣付けることが一番難しい作業になります。私どもが定期的に訪問させていただいている間は、きちんと会議が運営されます。それが私どもの仕事でもあります。重要なのは、私どもの契約が終了した後に、その会議がきちんと目的に沿って継続して頂くことだと考えています。ですから、最初は私どもが中心で運営させて頂き、会議を体験して頂いた上で、引き継いでいく作業を行うようになります。ここからが、難しい仕事でもあります。
資料の準備、議事進行、議事録作成等の業務を段階的に引き継ぎ、情報共有をする習慣付けを行っていきます。会議のしくみ自体を普段の定型業務の中に落とし込んでいくイメージでしょうか。そこまでできて、はじめて意味のあるものになってきます。
そして、私どもが行っている会議の実行ができているかのチェック方法の一つが、会議議事録です。議事録は毎回作成し、出席者等へ配布してもらうようお願いしています。お勧めしている議事録は、過去のアクションプランの履歴がきちんと個別の検討課題ごとに残っているものです。この議事録が会議においては非常に重要な役割を果たし、議事録の引継ぎを行っていくことが一番難しい業務でもあります。
まずは、情報共有の定型業務化をどのように行うのかをきちんと整理し、普段の業務として行える意識改革をすることが重要です。その為にも徹底的な議論が必要です。
ポイント
情報共有をする習慣付けでは、
・会議を情報共有の場とし、資料準備 → 議事進行 → 議事録作成 と徐々に自社に浸透していくことで、会議のしくみが定着する。
・会議議事録では、アクションプランの履歴を残す。
・情報共有の定型業務化を整理し、意識改革が重要となる。