経営会議で導入した付加価値重視の管理資料により、社内の意識が変わってきた?―工事部―(その1)【今からでも遅くない、本物の会議をやろう!建設業、管理、組織活性化・第12回】

設備工事業を営んでいるA社は、経営改善をスピードアップするために経営会議の内容を見直し、経営幹部でもある各部門長の意識改革を進めることとしました。
まずは、「付加価値(※文末参照)」を重視した管理資料を作成し、会議にて検討を始めました。

管理資料導入後①

それから、3ヶ月が経ち、最初に変化が表れたのは工事部でした。

工事部では、以前から出費を抑えるように社長から厳しく指示されていましたので、工事原価については、きっちり管理されていました。

前日の現場日報から、全ての現場の工事原価を集計し、翌日の夕方には「前日発生した工事原価は○○円です。今月の累計は△△円です。」と報告するしくみができていました。

資金繰りも厳しかったことから、このような管理を始めたと聞いていたのですが、正直驚きました。

この取組により、ムダな工事原価が発生することは殆ど無くなったとお聞きしました。
やはり、毎日記録に付けると言う事は、嫌でも意識しますよね。

工事原価のムダが無いように思われていた工事部ですが、水上専務が経営会議資料の付加価値の考え方を理解してから、工事原価の削減が、更に進むことになりました。

水上専務:「外注の作業員の代わりにB主任が社内にいるのになぜ手伝ってもらわないのか?」

A主任:「そりゃB主任が先輩だから言いにくいこともありますが、社員の単価は1日13,000円、外注作業員は10,000円ですので、工事原価は外注のほうが安く、工事利益も多くなると思いますが・・・。」

水上専務:「何を言っているんだ。B主任のような社員は、会社に待機していても現場に出ても会社が支払う給与は変わらないが、外注作業員をお願いすると、確実に外注費が発生するよね。工事利益で考えると、君が言う通り単価の安い外注作業員を使う方が工事利益は増えるが、果たしてそれが会社全体の為になるかな?付加価値の向上を考えると、結果は違ってくると思わないか?」

工事部では、経営会議で使用した管理資料のうち、「完成工事高、工事原価(変動費)、付加価値、工事原価(固定費)、工事利益(粗利)」までの数値を工事部会議で説明しています。
これまでは、工事利益がメインでしたが、最近では「付加価値」に重点を置いて水上専務が説明しています。

A主任:「あっそうか! 付加価値を基準で考えると、会社全体のキャッシュが増えますよね。建機をレンタルで調達するのと、会社の建機を使う事も同じ考え方で判断するといいですよね。なるべく会社の建機を使えるように現場の段取りを組む工夫をすれば、付加価値は向上しますよね。」

次回につづく。

※付加価値の定義について
付加価値 = 完成工事高 - 外部購入原価(材料費、外注費、工事経費)となり、付加価値から労務費(社内労務費)、減価償却費などを差し引くと工事利益となります。なお、付加価値の定義には色々とありますが、本件では、上記の通り単純に考えることとします。

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