A社は、地方で設備工事業を営んでおり、現在経営改善に尽力されています。
私は縁あって、社長をお手伝するようになったのですが、従業員の方からお話を聞いていくと部署間に壁があることや、情報共有に問題があることが分かってきました。
前回では、このような問題を解決するためには経営会議を実施していくことが重要だと社長に提案しました。
私が会議運営のお手伝いをする際には、まず会議の目的を明確にし、会議の目的にあった会議資料の整備から着手することが多いのですが、当社の場合、経理体制を変更したばかりであり、直近の損益に関する資料を準備することが難しい状況でした。
初回の会議では、過去3期分の損益の推移と数カ月前に金融機関に提出するために作成した「今期の利益計画」を資料とすることにしました。
事前打合せ
経営会議の開催にあたり、事前に社長、藤村総務部長(経理部長兼務)と打合せを行いました。
初回の会議では、幹部社員の皆様に会社の置かれている状況を理解してもらう事、社長が目指されている会社像について理解頂くことに重点を置くこととし、「過去3期分の損益推移、今期の利益計画」については、藤村総務部長より、経営理念、ビジョンについて社長より説明してもらうことにしました。
経営理念やビジョン(ここ5年間の具体的な目標)については、社長の信念や考えが元々おありでしたので、今回はそれらを整理し文書化するといったお手伝いを致しました。
経営会議開催日
ようやく経営会議の開催日となりました。
今回の会議が初めての参加となる幹部社員の方々は、少々緊張の面持ちで着席していらっしゃいます。
参加者は、社長、水上専務(工事部統括部長兼任)、楠営業部長、藤村総務部長、沢尻業務部長の5名と私です。
司会進行役の藤村総務部長から、本日の議題について簡単に説明があり、社長の挨拶が始まりました。
社長からは、この会議を開催した意味、昨年度から会社が置かれている危機的な状況について話始めました。
当初15分程度を予定していたのですが、話をしている内に感情が高ぶり、「なぜこんなことになったのか!」「資金繰り等危機的な状況が数カ月続き、自分も精神的に追い込まれていた」等の話を時には声を荒げ、また涙声になりながら自身の思いを約45分間お話になられました。
当社の状況については、水上専務は、日々社長より檄を飛ばされていますし、藤村総務部長は、資金繰り、金融機関対応をされてきたこともあり、十分に把握していたと思いますが、その他のメンバーは、社長から直接話を聞いたのは初めてだった様です。
社長の話の後、藤村総務部長より、「経営改善計画書」に記載されている数値を交えて、過去5期の損益の推移、金融機関に提出した利益計画の説明があり、会議室は重苦しい雰囲気となりました。
次回は、引き続き会議の様子についてお話したいと思います。