A社は、地方で設備工事業を営んでおり、現在経営改善に尽力されています。
経営改善に取り組む事は最重要課題ですが、組織や情報共有に問題があることも分かっており、このような状況下において問題を解決するために経営会議を開催することにしました。
前回に引き続き、第一回経営会議の続きをお話致します。
経営幹部の反応
藤村総務部長より、ここ3期の損益の推移や今期の利益計画について説明があり、当社が厳しい状況にあることを水上専務以外の経営幹部は、始めて知らされたのでした。
前期末では、年間13億円の完工高に対して、7億円の借入金があること。
ここ3期連続営業赤字が続いており、前期は営業赤字65百万円だったことが報告されました。
楠営業部長:「どうしてこの様な事態となってしまったのか?以前より少なくなったとはいえ、前期は賞与も支給されていたし会社がそんな状況とは分からなかった。」
沢尻業務部長:「なぜもう少し早い段階で手を打たなかったのですか?」
社長:「会社がここまで悪い状況になってしまったのは、これまでの一部の役員に経営を任せていた事、財務担当の役員に資金繰り、銀行からの借り入れなどすべて任せており、自分がチェック出来ていなかった。任せていた自分に全責任がある。皆には申し訳ないと思っている。本当に申し訳ない。これから自分が中心となって、会社の建て直しに掛かりたい。ここに集まっている皆の力を借りやっていきたい。よろしく頼む。」
皆さん:「・・・。」
やはり、皆さん相当ショックな様子です。
私:「当社が厳しい状況にあることは間違いないことですが、メイン銀行も当社を支援する準備があることをお聞きしています。これからやれることは沢山あります。ここに集まっている幹部の皆さんのお力に掛かっていると思います。社長と専務がこの状況を知ってから、3カ月がたちますが、経費面では既に2千万円も削減出来ています。これに加えて皆さんの知恵、実行力があれば、絶対良くなります。」
社長:「こうなってからずーっと考えていたのだが、目標としては、今期は経常利益がトントン、来期からは経常黒字、3年後には賞与を支給し、5年後には財務状況の健全化を達成したいと考えている。」
次回は、経営改善に向けて具体的に動き出した当社の経営会議について引き続きお話致します。