経営会議の管理資料を作成しよう!(その2)【今からでも遅くない、本物の会議をやろう!建設業、管理、組織活性化・第8回】

A社は、地方の設備工事会社です。
経営改善をスピードアップするためには、ますは経営会議を開催し経営幹部でもある各部門長の意識改革から着手することにしました。

管理資料の検討①

第一回の経営会議のあと、会議資料について社長、藤村総務部長と打合せを行い、売上高重視ではなく、利益重視の意識を持ってもらうためにどのような管理資料がよいのか検討しました。

私:「やはり月次試算表そのままでは、分かりにくいので、EXCELにて資料を作成しましょう。一口に利益と言っても色々とありますが、何を重視すればよいのか分かりますか?」

藤村総務部長:「まずは、工事利益でしょう。その次は営業利益だと思いますが・・・。」

私:「そうですね。付加価値はご存知ですか?簡単に当社を例にとって説明すると付加価値=売上高(完成工事高等)-(材料費+外注費+工事経費)となり、付加価値から労務費、減価償却を差し引くと工事利益になります。」

社長:「工事利益の方が皆慣れていると思うのだが、付加価値を取り上げる理由は?」

私:「ここが重要です。当社では現場従業員の給料等は労務費に計上されていますよね。それに当社では、現場に従事する従業員はすべて正社員ですよね。現場の仕事があっても無くても労務費は一定に発生します。減価償却はお金が出ていかない費用です。言い換えると労務費と減価償却費は、工事(仕事)があっても無くても掛かる費用ですよね。付加価値より前の売上高、材料費、外注費、工事経費は工事が無ければ発生しませんよね。」

藤村総務部長:「なるほど、色々ある利益の中で一番シンプルで分かりやすいのが付加価値ということですね。」

私:「おっしゃる通りです。言い換えれば付加価値から労務費や販管費(事務所を維持するための経費、役員、間接部門の人件費、もっと言うと支払利息、税金、借入金返済原資)を賄わないといけません。これらを賄えないと会社は成り立っていきません。」

社長:「付加価値の概念はよく分かったが、当社に付加価値はいくら必要なのか?」

次回は、実際のA社の数値を使って説明したいと思います。

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