金融機関交渉【再建計画書シリーズ・第6回】

皆様、こんにちは、経営支援室の久保です。
阪神タイガースファンの私としましては、18年ぶりの阪神の絶好調ぶりに、久しぶりに心躍っている毎日なのですが、ここまで人気が過熱すると、応援に行きたいのに、チケットが全くとれないのが悩みの種です・・・(T_T) 甲子園行きたーーい!
しょうがないから、この夏は精一杯仕事に専念したいと思います。(貧乏暇なし・・・)

さて、今日も張り切って参りましょう  p(>_<)q

◆前回までの流れ
再建計画書による企業再生の流れを説明させて頂いています。
第1回は、再建計画書作成の意義とその流れ
第2回は、資金繰り表の作成と当面の資金の手当について
第3回は、現状把握(時価バランス、清算バランス、損益分析)
第4回は、予算の組立について
第5回は、再建計画書の作成について、説明させて頂きました。

今回(第6回)は、金融機関交渉(再建計画の説明と、実現に向けた協力要請。リスケジュール、追加支援等の要請)について、説明させて頂きます。

さて、再建計画もいよいよ大詰めになって参りました。中間地点の最大の難関である、金融機関交渉です。これがうまくいけば、その後の再建計画がずいぶんスムーズに流れますが、逆にうまくいかなければ、今までやったことも全て無駄になってしまう可能性も秘めている、最も大事なやまばであります。(>_<)

◆まずは金融期間(銀行)への説明と協力要請です・・・

まず、金融機関に対する、再建計画の説明から参ります。
この場合のポイントは、なんといっても、「経営者自らが」、「自分の口で」、自信を持って、毅然と語ることにつきると思います。いくら良い計画ができていても、経理部長や、一緒にお手伝いをした我々が説明し、社長は横で聞いているだけ・・・では、説得力は半減です。

更に、これを、社長自らの口で、第3者に、「高らかに実行宣言をする」ことによって、何が何でもやらねばならぬ!という「背水の陣」的状況ができあがる訳です。  (^^;)

次に、実現に向けた協力要請です。
ここでは、場合により、各種融資条件における協力をお願いするわけです。
まず、金融機関にお願いする、主なパターンを上げてみます。

(1)追加支援(新たな借入をお願いします)
(2)リスケジュール(今ある借入の返済条件を緩和して下さい)
(3)債務の一本化(何本もある借入を、まとめて下さい)
(4)金利減免(レートをもう少し安くしてください)
(5)債権カット(とてもこれだけは返せませんから、借入元本をいくらか免除して下さい)

◆ここで、金融機関の対応について、念のため申し上げておきます・・・

ここで、一言申し上げておきますが、金融機関は、よほどのことがないと、(4)(5)については、首を縦に振りません。

基本的には、(1)~(3)の支援をお願いする場合が多くなるのですが、これにしたって、銀行はそう簡単には、応じてくれないと思っておかないとなりません・・・

今までの何十回の交渉の経験から申し上げておきますが、この時の対応は、銀行によって、又、応対してくれた人によって、全く違った反応が返って参ります!!!

◆でも、諦めてはいけません・・・

しかし、大切なのは、以下のポイントを、経営者自らの口で、「熱意」と「誠意」と「自信」を持って、きちんと訴えることです。

(1)この再生計画に基づいて、何が何でも、企業を立て直すという強い意志を示すこと。
(2)このまま、会社を整理してしまうよりも、確実に債権者(銀行)に迷惑をかけないですむことをきちんと説明すること。
(3)会社を継続することで、利用してくれる顧客の為にも、また協力してくれる取引先を守ることにも、また従業員の雇用を守るということにもつながると言うことを、切々と訴えること。

以上をきちんと説明できれば、話を聞く方も人間ですから、決して悪いようにはならないはずです。
(大体90%以上は、分かってくれます。・・・ごくたまに、理解能力の乏しい方がいらっしゃいますが・・・(-_-;) )

大丈夫です。今までのこの講座の流れに沿って、きちんと作った再建計画を、上記のポイントに基づいて、毅然とした態度で語れるならば、必ず債権者様も、理解を示し、最大限協力の意向を示してくれます。(それでも不安な方は、ご相談下さい・・・)

( 続 く ・・・ )

※次回は、実務へのオペレーティングについて説明させていただきます。

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