3. 現状把握

皆様、こんにちは。最近、少し固くなりすぎて、おもしろいネタを披露しなくなったと、巷で不評を買いつつある (-_-;) 経営支援室の久保です・・・
又、柔らかネタもやりますので、今回のシリーズは、我慢してお付き合い下さいネ!

◆前回までの流れ
再建計画書による企業再生の流れを説明させて頂いています。
第1回として、再建計画書作成の意義とその流れを
第2回として、資金繰り表の作成と当面の資金の手当が必要という話をしました。

さて、第3回は、現状把握(時価バランス、清算バランス、損益分析)です。

◆貸借対照表(バランスシート)とは・・・
 
まず、経営者(もしくは、役職員)の方に質問ですが、自分の会社の決算書をじっくりとながめて、その意味を考えたことはありますでしょうか?
殊に、貸借対照表について、深く考えたことがあるでしょうか?
これも私の経験則ですが、中小企業の場合、半分以上の経営者の方が、じっくり考えた事はないと思います。ましてや、職員の方は、ちらっと見たこともない状態・・・

損益計算書(一定期間の経済活動を示したもの)については、売上がいくらだとか、経費や利益がいくらだとかいって、興味を持って見る方も多いでしょう。しかし、実は会社の状態を、一番表しているのは、貸借対照表です。なぜならば、損益計算書は、1年間の動きを示したものでしかない為、たまたま良かったり、又悪かったりする場合もありますし、本当の実力かどうかは怪しいものです。損益計算書だけだと、粉飾されても、発見しにくいところがあります。

しかし、貸借対照表は、その会社が設立されてから、今日までの全ての企業活動の結果が現れている、いわゆる「成績表」です。活動の結果残った利益の蓄積は、必ず、何らかの資産に形を変えて残っているはずですから、その資産を細かくチェックしていくと、もし、数字をごまかしていても、ばれてしまう訳です。

◆時価バランスシートとは・・・

※というわけで、現状分析として、まず始める作業が、「時価バランスシート(貸借対照表)」の作成作業です。

前述しましたとおり、貸借対照表は、企業が出来てから今までの、全ての活動の結果を表したものです。しかしながら、その内容(特に資産項目)は、時価(現在の値打ち)とは、かけ離れている場合も多いわけです。

例えば、土地の帳簿価格は、買ったときの値段です。もし、バブルの時に買っていれば、今の価格は何分の1にも値下がりしているかもしれません。例えば、売掛金は、近々入金になる売上です。しかし、その中には、入ってくる見込みのない不良債権も含まれているかもしれませんよね・・・

これらの資産を全て時価に評価し直して、「いったい貴方の会社の純粋な価格はいくらになっていますか?」ということをするのが、時価バランス作成作業。

◆清算バランスシートとは・・・

※そして、もう一つ。忘れてならないのが、「清算バランスシート」の作成作業です。これは、仮に、その会社を今すぐ閉めた(廃業した)場合の評価です。
例えば、工場なんかの場合、時価バランス作成時には、それなりの値打ちで見ますが、清算バランスの場合は、不要ですから値打ちは0で、逆に撤去費用分がマイナス評価です。又、営業用資産(商品、材料・・・)なんかも、もう販売しませんから、二束三文になってしまうわけです。

◆なぜ、こんなもの(時価・清算バランスシート)を作るのか?

どうして、これらをつくるかといいますと、大きく2つの訳があります。

①今までの総決算をする。
時価貸借対照表をつくった結果でてきた純資産は、その会社が設立以来、ずっと積み重ねてきた営業活動の最終結果です。経営者の方に、まずこの状況を理解し、それからこの会社をどうするかを考えていただく必要があります。
②閉めるか、続けるかを判断する材料
清算バランスは、言うまでもなく、今この会社を閉めたらどうなるかを示すものです。すなわち、これを認識しないと、事業を継続するか否かの決心はつきません。金融機関を説得する為にも、この現状把握は絶対に必要です。

◆もちろん、損益計算書も見ていきます・・・

※最後に損益の分析に入っていきます。この内容は、業種によっても違いますが、きちんと、内容を解析し、利益のでる計画を作るための、準備をしていく訳です。(細かい内容については、次章以降に譲ることといたします。(^^)  )

◆さて、ここからが大切です・・・

これらの現状把握をきちっとしたうえで、経営者の方に大事な決定をして頂きます。即ち、「あなたはこの会社を、廃業しますか?それとも苦しくとも、頑張って続けますか?もし、続ける意志があるならば、続けられる体制を一緒になって作りましょう!ただし、そのためには、覚悟を決めて、背水の陣でやっていただく必要があります。
社長がどんな苦しい場面でも、絶対にやり抜くと言って下さるなら、我々も最後までお付き合いいたします。さて、どうしますか?」とまあ、こんな具合です。

社長様から、「やります!」との返事を頂いたら、いよいよ、再建計画の作成に入っていく訳です・・・                           
( 続 く )

次回は、「予算の組立」について説明させて頂きます。

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