再建計画書作成の意義とその流れについて【再建計画書シリーズ・第1回】

終わり無きデフレスパイラル、世界同時不況、中国等の台頭によるメーカーの凋落、銀行の相次ぐ破綻と貸し剥がしの深刻化、公共工事の激減等、我々を取り巻く経済環境は、ますます厳しいものとなっております。

しかし、そんなことは言っておれません。自分の会社は自分で守っていかなければ、誰も助けてはくれません。
そこで、窮地に陥った会社が、まずやらねばならない事が「再建計画を立てる」という作業です。

株式会社みどり合同経営では、ご依頼のあったお客様の再建計画の策定や、金融機関交渉、計画の定着化等のお手伝いを、幅広く手がけております。

そこで、今回から8回に渡って、この再建計画書について取り上げていきたいと思います。

第1回は、「再建計画書作成の意義とその流れについて」説明いたします。

 

再建計画書の意義

まず、「再建計画書作成の意義」は主に、以下の通りです。

1.企業を健全な体制へ導く為の、羅針盤をつくる
経営を根底から見直し、健全な体制へと力強く進んでいく為には、無計画の状態では実現は絶対に不可能です。

強い意志を持ってやり遂げる礎(いしずえ)となる、実のある再建計画書の作成は、絶対に必要です。

2.取引銀行を説得し、協力してもらうためのツール
窮地に陥った企業が、再生に向け歩みだす場合、取引銀行の理解と支援は必要不可欠です。ただ、説得力のある再建計画がないと、銀行としても、支援はできません。従って、銀行を味方に付ける、強いツールでもあるのです。

 

企業再建の流れ

次に、「企業再建の流れ・手順」について、少し詳しく説明します。一般的な企業再建の流れは、以下の通りです。

1.緻密な資金繰り表の作成、向こう2~3ヶ月の資金の手当
2.現状把握
時価バランス、清算バランス、損益計算書の分析
3.予算の組立
実質債務超過の解消計画
無担保借入金弁済計画
4.再建計画書の作成
現状から、実現可能なリストラを行った上での損益計画
金融機関を納得させられる、損益・キャッシュフロー計画の作成
5.金融機関交渉
再建計画の説明と、実現に向けた協力要請
リスケジュール、追加支援等の要請
6.実務へのオペレーティング
作成した再建計画書の月次予算への展開
徹底した予算実績管理
数字を現実にする為のアクションプランからPDCAへの展開
7.金融機関への報告
タイムリーな資金繰り表、予算実績管理表(試算表)の提供
継続的な業況説明と、信頼関係の構築

上の手順通りにいかないことも多々あるわけですが、その場合には、臨機応変に次の一手を考えていきます。
(例えば、どうしても自力再生が困難な場合、救済型M&Aや、会社分割、果ては民事再生法等も組み合わせ、生き残る道を探っていきます。)

それでは次回から7回(2~8回)に分けて、個々の過程を詳しく解説していきたいと思います。

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