管理資料の重要性について考えてみる(8)

形だけの経営計画は意味がない

それでは、今回からは具体的に会議で利用する資料について考えていくことにします。

まず、経営会議や全体会議を主体として私どもでは会社のお手伝いをさせていただくことが多いのですが、それを行うにあたり重要な前提条件があると考えています。それは、経営計画が策定されていることになります。

実際私がまずお客様とお話して聞く項目の一つが経営計画を策定しているのかどうかになります。回答は様々ですが、最近は比較的経営計画を策定している会社が増えているように感じます。増えてきていることは良い傾向です。しかしながら、経営の道しるべとなるべき経営計画として利用されているかと言えば非常に疑問を感じることが多々あります。

大きな疑問を感じる一番の要因は、行動計画について具体的に示されている計画が少ないことが挙げられます。すべての計画に共通していることですが、会社の財務数値予算についてはきちんと示されています。しかし、その数値の根拠である行動計画が示されていないのです。つまり、数値がどのような行動に基づいて達成されるのかが記載されていないのです。明らかにアンバランスです。

私はいつもお客様に行動計画の必要性について説明をする時、「損益計算書や貸借対照表の数値は予算と結果であり、その過程には目にはなかなか見えない行動がある。そして、数値の予算を立てるなら、結果との間にある行動計画こそ明確にそして詳細に策定してないと、数値の予算は絵に描いたもちであり、結果は今までと変わらない」と皆様に重要性をお話します。そして、その行動計画と数値計画を月次展開し、進捗状況を確認、結果が出ないなら新しい行動計画を策定する必要があるのです。

会議の前提である、本来の経営計画の必要性についてはある程度ご理解いただけたと思います。それでは、次回からはその計画を分解して会議で利用していく為の管理資料について考えていくことにします。

 ポイント 

  ・経営計画を策定している会社は増えている。
 しかし…
  ・経営の道しるべとして、経営計画が利用されていない。

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