管理資料の重要性について考えてみる(5)

工事別管理カードの活用法

今回も前回に引き続き、工事別管理カードの利用について考えていくことにします。
 
前回は、主にリアルタイムでの利用について考えてみました。営業段階から実際工事を進めていくにあたって、原価の増大につながる可能性がある部分を早め早めに対応して防止していくために、工事別管理カードを利用するということでした。今回は、工事別管理カードがある程度データとして構築されてきた後の利用について考えてみることにします。

データとして構築されてきた工事別管理カードの利用方法は大きく2つあると思われます。受注できなかったり、受注後、何らかのトラブルで原価が増加した工事等の問題点の分析を行うことと、受注から工事管理までスムーズにいく事例について、成功した要因を分析することの2つです。ここで、是非とも分析をお願いしたい項目が工事台帳分析になります。前にもお話したことの繰り返しになるかもしれませんが、過去5年程度の工事台帳を工事別に特徴を掴む分析を行うのです。

少し話しがずれますが工事台帳の分析で重要なことは、数値がどのような要因で現れているのかということを突き止めることになります。私どももまだまだ経験不足から、日々勉強の連続ですが、ここは企業を判断する非常に重要なポイントになると考えています。企業の強みである差別化のポイント、得意分野を徹底的に洗い出す作業をすることで、企業がどのような方向性に力を入れて、今後営業を行っていくのかを明確にするためです。

それでは話しを戻します。まず想像しやすいことは問題点の分析になると思いますが、問題となった本来の原因を追究していくことが重要になります。ほとんどの場合、原価が増加したという現象が表面化してきます。そして、その問題点の原因を工事別管理カードや工事台帳分析から検討していきます。

ここで重要なことは、議論を行い、真の原因を徹底的に追究していくことです。表面化していることは現象であるということを常に意識して作業をすることが非常に大切です。

それでは、次回は成功した要因の分析について考えていくことにしましょう。

 ポイント 

工事別管理カードの利用方法
① 受注後原価が増大した工事などの問題点の分析。
② 受注から工事管理までスムーズに行く事例について、成功した要因の分析。

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