コンサル実績20年の専門家が徹底解説!中小企業活性化パッケージのポイントとは

経済産業省・金融庁・財務省は、2022年3月4日付けで、「中小企業活性化パッケージ」を公表しました。
ここでは、みどり合同経営のコンサルタント3名が特に注目している項目を中心に、解説していきたいと思います。

株式会社みどり合同経営
代表取締役
澤田 兼一郎

澤田 兼一郎
(株式会社みどり合同経営
代表取締役)

コロナ資金繰り支援の継続

まずは、コロナ資金繰り支援の継続に関してですが、実質無利子・無担保融資、危機対応融資が6月末まで延長されたことに加えて、融資期間が延長(運転資金15年→20年)されたことは大きいですね。
第5波の影響が未だ大きい飲食業や宿泊業などを中心に、新たな調達のみならず、借換・返済期間の変更なども含めて返済負担の軽減が進んでいけばと思います。

資本性劣後ローンの継続

また、日本政策金融公庫の資本性劣後ローンが2022年度末まで継続されることになりました。

弊社の支援先の中でも、いくつかの中小企業様で、資本性劣後ローンの導入が進みました。
金融機関の査定で中小企業の自己資本とみなすことができる資本性劣後ローンの導入によって、民間金融機関からの追加融資が見込めるなど、中小企業にとっては命綱となっています。
コロナ禍の長期化により、借金が膨らみ財務内容が悪化してしまった中小企業が多い中で、資本性ローンの利用を選択肢の1つとして検討すべき企業はたくさんあると思います。

一方で、金融機関の側では、資本性ローンを導入して支援する企業とそうでない企業の選別を厳しく見極めているところだと感じます。
そこで求められているのは、企業の経営改善に向かう強い意思と、単純な経費削減や遊休資産の売却という施策だけでなく、前向きな収益改善策(将来成長が実現できる)の絵(計画)を具体的に描いていくことです。

また、最近特に重要になっているのは、計画を練りつつも、同時並行でその計画を実行する推進力が求められていることだと思います。
結果が出てくるまでには時間が必要になるので、やるべきことには早く着手し、その進捗も含めて計画の妥当性を判断頂くというスタンスが必要になると思います。

そのためには経営陣だけで計画を立てるのではなく、幹部や従業員を巻き込んで計画を立てていくことが重要で、我々のモットーである「ともに考えるコンサルティング」の真価が問われていると感じています。

株式会社みどり合同経営
取締役
犬飼 あゆみ

犬飼 あゆみ
(株式会社みどり合同経営 取締役)

経営改善計画策定支援事業(通称405事業)の拡充

中小企業のコロナ出口に向けては、企業の状況に応じて「収益力改善フェーズ」「事業再生フェーズ」「再チャレンジフェーズ」の3つの区分での支援策が示されました。
このうち、収益力改善フェーズにおいては、経営改善計画策定支援事業(通称405事業)が拡充された点に、我々も認定支援機関の1つとして、注目したいと思います。

経営改善計画策定支援事業とは、将来の事業計画を策定し、返済条件変更や借換融資、新規融資等の金融支援を盛り込んだ経営改善計画を策定する中小企業を支援する制度です。

従来:計画策定と金融支援後のモニタリングに係る費用の一部(売上10億円未満かつ有利子負債10億円未満の企業で上限200万円、補助率2/3)が補助対象
今後:モニタリングに代わり、別枠で伴走支援を補助する制度が設定(計画とは別に上限100万円、補助率2/3

単に補助上限額が拡充されたということよりも、モニタリングではなく伴走支援に着目されている点が重要と感じています。
これまでのモニタリングでは、計画を立てて一定期間が経過した後に、「計画が実行できたのか?」「経営数値がどうなったのか?」という結果を追いかけることしかできませんでした。
それに代えて、伴走支援が補助対象となったことで、計画実行までのフォローアップや不測の事態に際して「一緒に走りながら考える」ことで、計画の実現可能性をより高めていけるご支援が可能になると思います。

株式会社みどり合同経営
取締役
萬屋  博史

萬屋 博史
(株式会社みどり合同経営 取締役)

中小企業の事業再生等のガイドラインの策定

「事業再生フェーズ」では、「中小企業の事業再生等のガイドライン」が策定され、ガイドラインに基づく計画策定支援制度も創設されています。ガイドラインでは、中小企業の事業再生等に関する基本的な考え方として、中小企業者と金融機関の間における継続的かつ良好な信頼関係の構築・強化が事業再生の大前提とされています。
そして、その信頼関係の構築のために、「平時」と「有事」における中小企業者と金融機関双方がそれぞれ果たすべき役割・対応が記載されています。
そこには「平時」「有事」における我々専門家が果たすべき役割も示唆されており、改めてガイドラインに沿った支援の点検を行っていきたいと考えています。

また、より迅速かつ柔軟に中小企業者が事業再生等に取り組めるよう、新たに「中小企業の事業再生等のための私的整理手続」が定められました。
ここでも、我々専門家が中立かつ公正・公平な立場から、中小企業者が策定する事業再生計画や弁済計画の相当性や経済合理性を検証すること等を通じて、円滑な私的整理手続きを可能にすることが重要とされています。

コロナ禍での収益力の低下、過剰債務等による財務内容の悪化により、自力再生が困難になっている中小企業が多くみられます。
そのような企業様や支援する金融機関様の一助になれるよう弊社でもガイドラインに基づく支援を強化していきたいと思います。

私ども、株式会社みどり合同経営では、政府が発表した中小企業活性化パッケージの方針に沿い、これまで様々な事業再生案件に携わってきた支援実績をもとに、中小企業の活性化をお手伝いさせて頂きます。
体制強化のため、新たなメンバーも加わりました。どうぞお気軽にご相談ください。

この記事の執筆者

澤田 兼一郎
(株式会社みどり合同経営 代表取締役/中小企業診断士)

立命館大学経済学部経済学科卒業、第二地方銀行を経て当社に入社。中小企業を中心に、経営計画や事業計画の実行性を高める、現場主義のコンサルティングを実施。
特に中小建設業、製造業の経営管理体制の構築、実行力を高めていく組織再構築等のノウハウ等について評価を受ける。

萬屋 博史
(株式会社みどり合同経営 取締役)

名古屋大学理学部物理学科卒業、上場精密部品メーカー経理部勤務、その後コンサルティングファームを経て当社に入社。 中小企業の業績管理や業績評価等、管理会計の仕組み作りの支援や、中小企業における個別プロジェクトの財務的評価による意思決定の側面支援が専門分野。

犬飼 あゆみ
(株式会社みどり合同経営 取締役/中小企業診断士)

一橋大学法学部卒業、大手自動車会社のバイヤー(部品調達)として勤務後、当社へ入社。
企業評価における事業DDのスペシャリスト。事業DDでの経営課題の洗い出しをもとに、事業計画や経営計画(利益計画&行動計画)の策定・実行支援が専門分野。

この記事の執筆者

澤田 兼一郎
(株式会社みどり合同経営
代表取締役 / 中小企業診断士)

立命館大学経済学部経済学科卒業、第二地方銀行を経て当社に入社。中小企業を中心に、経営計画や事業計画の実行性を高める、現場主義のコンサルティングを実施。
特に中小建設業、製造業の経営管理体制の構築、実行力を高めていく組織再構築等のノウハウ等について評価を受ける。

萬屋 博史
(株式会社みどり合同経営 取締役)

名古屋大学理学部物理学科卒業、上場精密部品メーカー経理部勤務、その後コンサルティングファームを経て当社に入社。
中小企業の業績管理や業績評価等、管理会計の仕組み作りの支援や、中小企業における個別プロジェクトの財務的評価による意思決定の側面支援が専門分野。

犬飼 あゆみ
(株式会社みどり合同経営
取締役 / 中小企業診断士)

一橋大学法学部卒業、大手自動車会社のバイヤー(部品調達)として勤務後、当社へ入社。
企業評価における事業DDのスペシャリスト。事業DDでの経営課題の洗い出しをもとに、事業計画や経営計画(利益計画&行動計画)の策定・実行支援が専門分野。

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