キャッシュフロー入門編8・・・企業活動で必要な資金と銀行借入(長期資金:後編)

皆様、いかがお過ごしでしょうか?
先日飲み過ぎて、久しぶりに記憶をとばしてしまいました。全く覚えてないのですが、きちんと家に帰って、着替えもして、コンタクトレンズまできちんとはずしているのには、我ながら、よくできたねと、自分を誉めてあげたい気分です。(ていうか・・・そんなになるほど飲むなよ!といわれそうですが・・・)

さて、キャッシュフロー入門編も残すところ後2回(本編含)となってしまいました。皆様も、もう少しお付き合い下さいね。さて、今日も張り切って参りましょう!

◆前回の続き・・・長期資金の返済財源が不足しているときはどうなるの?
 
前回のおさらいですが、長期資金の返済財源=税引後利益+減価償却費です。
しかしながら、毎年の返済額合計が、これより大きいという場合は、現実には、 よく有るパターンですね。

実際に、資金繰りに詰まって相談に来られるお客様の殆どが、このパターンです。当然、長期資金の年間返済額が、税引後利益+減価償却費 でまかなえない場合は、絶対に、お金は足らなくなってきます。

◆それじゃあ、お金が足りなくなった時はどうするの?

この場合の主な対処方法は、以下の3つです。

1.バランスシートの改善(財務リストラ)によって資金を捻出する
このコーナーの前半で説明したような、売掛、買掛サイトの見直し、在庫の圧縮、遊休資産の売却等により、返済資金を捻出する方法。これが自力で出来る、まず最初に手を着けたい部分です。

2.業務改善(業務リストラ)による利益の増大
もう、返済余裕がないのであれば、なんとかして資金を捻出するしか有りません。徹底した経費の削減等によって、返済原資を捻出する努力も必要です。

3.銀行(債権者)に対する協力の申し出
上の1.2.を行ってもなお、返済の目処が立たない場合は、銀行に御願いするしかありません。   具体的には、不足分を別途借り入れるという方法と、今までの借入の返済額の見直しという、2つの方法があります。

・不足分の借入という方法は、結構一般的によく行われている方法です。どちらかというと、銀行側としても、この方がやりやすい方法ではあります。

この場合、借入申込するときのポイントは、きちんとした経営計画を示し、年間の返済可能額を明示し、不足部分についてのみ、追加の運転資金を御願いしたいという事を、理路整然と説明することです。

・逆に、返済額の見直し(減額)は、いわゆる「リスケ」(=リスケジュール:返済額、期間等をもう一度見直しすること)とよばれ、銀行は非常にいやがります。

なぜなら、一旦決めた「返済条件=約束」を、(特に銀行に不利な方向に)変えるというのは、どこの銀行であろうと、そう簡単に認めることは絶対にありません。

それこそ、この場合は、きちんとした、「再建計画書」でもない限りは、そう簡単には、条件変更に応じてくれないでしょう。(※再建計画書については、以前にメルマガで詳しく書いてありますから、
興味のある方は、弊社ホームページのバックナンバーからご覧下さい。)

この場合の銀行との交渉のポイントも、「今の状況だとこれだけの利益は、最低限確保できるから、ここまでは返せます。これは絶対に何とかするから、返せる範囲の返済額で収まるように、今の借入の期間や返済額を組み替えて欲しい。」という事を、社長自らの口で、きちんと説明することで   す。

ただし、「最低限確保できる利益」を出すために、「相応の努力」をすると言うことを、きちんと示さないと、だめであることは、言うまでもありません。

何の努力もせず、ただ、これだけしか利益が出なくなったから、返済額を減らして欲しいといった様な言い方では、絶対に銀行は相手にしてくれません。
一度約束したことを、変更して欲しいということを、相手にお願いするときには、まず、自分ができる、「精一杯の努力」をしてからだということですね・・・当たり前です!
                                   
( 続 く ・・・ )

※次回は、キャッシュフロー入門編のいよいよ最終回です。
設備資金と、長期資金の返済の目安、そして、最後のまとめに入ります。

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