サウスウェスト航空に学ぶ③

<前回までのあらすじ>
前回は驚異の業績を続ける、サウスウエスト航空の秘密に、迫ってみました。そしてその原因として考えられる主なものとして、
 1.徹底した顧客セグメント(選別)
 2.今までの常識に捕らわれない、徹底した合理化努力
 3.従業員第一主義
があり、まず一番目の「徹底した顧客セグメント」について、述べさせて頂きました。

今回は、後の2つについて、説明させていただきます。

さて、皆様、それでは、サウスウエスト航空の「成功の鍵」の残りの二つについて、一緒に考えてみましょう。まずは、②の「今までの常識に捕らわれない、徹底した合理化努力」を、ご紹介致します・・・

<驚異の「15分ターン」を実現>
まず、コストダウンの為に同社が考えたのは、保有航空機の有効活用です。言うまでもなく、飛行機というものは、大変高額な物なので、この減価償却が全てのコストのかなりの部分を占めます。

 

ところで、飛行機は、空港から空港まで行くと、燃料補給や、機器の点検、機内清掃等を行って、直ぐに次のフライトに移ります。通常は、この感覚は1時間程度です。短距離の場合、フライト時間は1時間程度なので、整備の時間と飛んでいる時間がほぼ同じになっています。サウスウエスト航空は、この時間を、以下に述べる様々な工夫と努力によって、なんと平均15分程度に短縮してしまいました。
  
理由1:飛行機の機種を、ボーイング737型の1機種に限定
一つの機種に限定することによって、整備員も、その機種に精通し、効率が良くなりますね。まず、同社はあっさりとこれをやってのけました。

理由2:機内乗務員(スチュワーデス)の機内清掃
わざわざ掃除の専門の人を入れなくても、機内乗務員が掃除をやれば、人件費は浮くし、入れ替えの手間も省けますよね!問題は、スチュワーデスさんのプライドですが、ここの社員は、意識が高いので、難なくそれを受け入れるのです。

理由3:給油や整備のスピード化は、F1レースのピットクルーを参考に実現!
何でも、事をやるには、優れたライバルを参考にすることがポイントですが、ここの場合、もはや同業種にはそれ以上のところは、ありませんでした。そこで、同社が手本とし目指したものは、なんと、F1レースのピットクルーです。

目の付け所が素晴らしいと思いませんか?

続きまして、3の、「従業員第1主義」について見てみましょう。
<奉仕を超えるサービスを生み出す、従業員第一主義>
サウスウエストのCEO(最高経営責任者)のハーブ・ケレハーは、顧客より、従業員の方を優先すると、はっきりと言い切っているそうです。
さて、このことが、当社のサービスに、どういう影響を与えているでしょうか?

当社は、従業員を、「信頼し」、「大切にし」、「任せて」あります。もし、顧客が、従業員のサービスに対して、あまりにも無理なクレームをつけた場合には、従業員の対応を信頼し、顧客に対して、「もう無理に利用して頂かなくても結構です。」とはっきり断ります。

その結果、従業員の心には、会社から、「信頼されている」「大切にされている」「任されている」といった思いが芽生え、更には、「会社を想う心」「会社のために頑張る心」・・・いわゆるロイヤリティが芽生えていくのです。

そうなった従業員は、自ら常に最高のサービスを生み出すべく、考え、工夫し、精一杯の顧客満足獲得に取り組みます。
また、従業員を信じて任せた結果、従業員達は、時には独断で、かなりの融通のきいたサービスを展開します。
特別割引の記念座席が売り切れてがっかりしている老夫婦の為に、独断で、通常のシートを、その場で記念座席に変更してあげたり、亀をつれて飛行機に乗ろうとした若者(亀は規則でのせられなかった)の為に、カウンターの従業員が、若者の旅行中、個人的に亀の世話を申し出てあげたり・・・という位は、朝飯前だそうです。
  
やはり、人間は、「愛されている」「大事にされている」「信頼されている」「任されてる」といったことを感じた場合に、最大のモチベーションを発揮するのでしょうね・・

如何でしたでしょうか?サウスウエスト航空の経営のすごさの一部を、感じ取って頂けたでしょうか?

紙面の都合もあって、言葉足らずの部分もあったと思いますが、皆様のお会社の参考にしていただけるところがあれば、幸いです。

※次回のテーマは、「ビジョナリー経営のすすめ」です。

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