サウスウェスト航空に学ぶ②

<前回のあらすじ>
前回は、不況の航空業界にあって、ずば抜けた好業績を維持し続ける、米国サウスウエスト航空の内容についてご紹介しました。どこよりも安い料金、顧客満足度や安全度ナンバー1、時間厳守・・・等が、彼らの業績を支える強みであると言うことが分かりました。今回は、それではなぜ、同社だけが、これらのパフォーマンスが可能なのかを探ってみます。

皆様こんにちは
前回、サウスウエスト航空の優れた点だけを挙げて、その理由について一切述べずに、次回(今回)に回したので、ずいぶん拍子抜けしてしまった読者の方もいらっしゃるのではないでしょうか?

本当に申し訳ございませんでした。 <(_ _)>
そして、大変お待たせいたしました。 (^_^)v

さてさて、サウスウエスト航空が、
1.低料金(他社の1/2程度の航空運賃)
2.高品質(安全度・運行時間・荷物管理等、どれをとっても超一流)
3.高サービス(従業員の接客サービスも、常に指示率ナンバー1)
これらを全て成し遂げて、尚かつ、好業績を維持しているというのは、どうしてでしょうか?

普通は、1~3をやれば、当然、お客様の支持率は上がりますが、それと同時に、コストもかさんでしまい、結果的には、利益が出にくくなるんじゃないかと思いますよね・・・

この謎を解くポイントは以下の3つではないかと思います。

 1.徹底した顧客セグメント(選別)
 2.今までの常識に捕らわれない、徹底した合理化努力
 3.従業員第一主義

それでは、この3つを順番に考えてみましょう・・・(*^_^*)

1.徹底した顧客セグメント
同社がまず考えたのは、「自社のお客様は誰であるか?」という事です。すなわち、全ての人に向け、徹底したサービスを展開するのは、どう考えても採算に合わない。そこで、自分達のお客様をはっきりと絞り込む事によって、その客層が特に必要としないことを、徹底的に排除し、その代わりに、望んでいる事は、他社より徹底して高レベルを追求したのです。

<セグメントした結果>
自社のお客様 =国内で、比較的、中短距離のビジネスマンを中心としたお客様
望まれること  =低料金、時間厳守、便数が多い、ここちよいサービス
排除可能なこと =機内食(廃止してしまいました)
    =航空チケット(コスト削減の為、番号札にしました)
    =座席の予約(乗降時の混雑を避け、時間短縮のため、全席自由席にしてしまいました)

どうでしょうか?同社の路線は、1~2時間までの中短距離が中心なので、例えば、機内食を出してもあわただしいだけでなく、本当に必要でない人も多かったのです。それにチケットの発行や座席の予約にしても、別に無くてもその分、値段が安くて、正確に飛んでくれた方が、よっぽどいいですよね!そこのところをはっきりとさせた訳です。

実はこれこそが、以前にこのコーナーでも話しました、「経営品質賞」の基本の考え方となる、顧客満足経営(CS経営)の根幹となる考え方だと思います。

本当の意味の顧客重視の経営というのは、不必要なコストを徹底的に削ることにもあると言うことです。なぜならば、不必要なコストは、結局、お金を払っていただける「本当のお客様」に転嫁されることになってしまうからです。

つまり、例えば・・・
・本当のお客様でない方(冷やかし客、招かれざる客、不採算客・・・)や、
・お客様に本当に喜ばれる商品、サービスにつながらないことには、コストをかけてはいけないということを、ちゃんと認識して実行するということです。

それこそが、本当のCS経営だということです。
                                    
(続く・・・)

※次回は、この続きで、2の徹底した合理化努力と、3の従業員第一主義について、考えてみたいと思います。

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