現場の危機感

今日は、現場の危機感について、少し語ってみます・・・
これって、なかなか思い通りにはいかない、難しいテーマですよね・・・

◆皆様の会社では現場の危機感はありますか?

皆様の会社では、現場の第一線を預かる従業員さんの危機感はいかがなものでしょうか?というよりも、一般の従業員さんは、自分の会社の内容を、正しく知っているのでしょうか?

答えは、日本の90%以上を占める、同族の中小企業の場合、殆どが「ノー」だと思います。つまり、殆どの中小企業の従業員さんは、自分の会社の財務状況を教えられておらず、例え倒産寸前の財務状況であっても、別に何の危機感も持たずに、サラリーマン的勤務状況で、日々の仕事を淡々とこなしているということが多いのではないでしょうか?

いやいや、それよりも、もっと痛切に感じるのが、「だめな会社ほど、社員の危機感が薄い」という、非常に困った事実だと思うのです。
「危機感」というと、表現的にきつすぎて、ピンとこないとおっしゃる方は、「緊張感」とかに置き換えていただいても結構ですが、とにかく、内容の悪い会社ほど、社内の空気が非常にゆるんでいることが多いと、つくづく感じます。

それに比べて、「伸びている会社」や「業績の良い会社」は、職場にピンと張りつめた緊張感があり、一人一人に活気があり、顔が明るく、言葉が前向きであると感じます。そして、職場の危機感や緊張感、活気を奪ってしまった原因の殆どは、紛れもなく、「経営者」自身にあると思います。

◆今の時代に不利になる経営者のタイプとは・・・

誠に残念ながら、私が、多くの企業の再建に立ち会った経験から申し上げますと、窮地に陥った経営者の方々のタイプには、見事なほどの「共通点」が、いくつか見いだせます。下記にそれを列挙いたします。

○人間的に非常に温厚で、のんびりしたタイプである。
○「目的の為には手段を選ばない」といったことは苦手である。
○自ら人を厳しく叱るといったことは、苦手である。
○スマートで、「ええかっこしい」である。
○どちらかというと、クールであり、熱血タイプではない。
○あまり深くどっぷりとした人間関係は好きでない。
○決めたことを何が何でも継続してやることが苦手。いわゆる三日坊主。

いかがですか?これらが結構当てはまるなと思った経営者の方。今の時代には要注意だと思って頂かないといけません。
もう一つ付け加えますと、彼らは決して経営に手を抜いているわけでも、能力的に劣っている訳でも、何でもないんです。ただ、この競争の厳しい時代に、なんとしても生き残って行くだけの、「逞しさ」と「将たる自覚」が、少し足らないだけなのです。でも、経営者様が上記のタイプでは、従業員さんの危機感や緊張感がでないのは、当たり前ですよね。

◆考え方を整理いたします◆

経営を立て直したいと思っている経営者の方で、上記項目に当てはまりがちな方は、是非、下記のことを心がけて下さい。

○出来る限り、経営内容を、従業員さんに公開し、会社を建て直すことを、経営者と従業員の双方の共通目標として下さい。
○本音で従業員と話し、自らの弱みも見せ、夢を語り、従業員さんを家族の一員だと思える位になって下さい。
○経営数字の結果を見ながら、本気で一喜一憂できる情熱を、周り(従業員)にも示せる位になって下さい。つまり、毎月の業績が、皆の努力で好転したら、皆の前で感激の涙の一つでも流せるくらいの情熱を、示して下さい。
○とにかく社内外に向けて、言いにくいことや、説明しにくいややこしいことは、全て自分が背負い込むくらいの気持ちで、各種改革に当たって下さい。

◆是非是非、頑張りましょう!

いいですか、今までにも何度か言ったかも分かりませんが、経営者にとって、唯一無二の、「絶対にやってはならないこと」は、会社をつぶすことです。これを避けるためには、もう、私から言わせれば、何でもありなんです。

プライドや、見栄や、自分なりのスタイルや、義理や、人情や、日常生活においては、是非とも大切にしたいこれらのものを、いかに捨てるかが、企業再生のポイントです。

会社全体が、「危機感を持って」、「泥臭く」、「熱く」、「一丸となって」、頑張れば、きっと活路が開けてくるはずです。そして、それは、絶対に格好悪いことではありません。ギブアップする方が、絶対に格好悪いことだと思います。

貴方の職場の危機感や、緊張感は、如何ですか?もちろん会社の業績が非常にうまくいっているのであれば良いですが、最近少し調子が悪いんだという場合は、是非このことについても少し考えてみて下さいませ。  <(_ _)>

 

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