ビジョナリー経営

私の友人兼師匠である、生産性本部の石川氏の言葉を借りると、ビジョナりー経営とは、「全ての経営活動を企業理念や、経営哲学から展開すること」です。

理念や哲学でメシは食えないよ!それよりも、もっと具体的な売上目標や、利益目標を掲げるべきじゃないか・・・等といった声も聞こえてきそうですネ!

でもでも、不況がいつまで続くか分からない、極めて不透明な環境の中で、トップが、自社の進むべき方向性をきちんと定めてあげないと、それぞれのベクトルがバラバラになってしまい、強い推進力を持った組織にはなり得ません!

結論から申し上げます!(>_<)
強い会社になりたいと願うなら、直ちに、「経営理念」「経営方針」の作成にとりかかって下さい。
そして、会社の壁に貼るとか、カードにして従業員さんに携帯してもらうとか、毎朝、朝礼で唱和するとかして、とにかく全員の頭にたたき込んで下さい!

なぜならば、単なる数字の目標や計画では、とどのつまり、ノルマでしかありません。しかし、きちんとした経営理念・哲学は、「指針=羅針盤」であり、「心の支え」であり、共通の「価値観」であるからです。指針や価値観を一緒にすれば、自然と進むべき方向性(=ベクトル)が一緒になり、組織として、最大の力を生み出すことができるのです。

ちなみに作るべきものの意味を最も単純にいいますと、
(1)経営理念・・・利益を何の為に稼ぐのかを示したもの
(2)経営方針・・・どうやって利益を生み出すかを示したもの
(3)中長期計画・・・将来どうなるのかを示したもの
(4)年度計画・・・そのために今何をするかを示したもの
大体こんなかんじでしょうか。そんなに難しく考えることはないのです!

足下の数字だけに一喜一憂せず、全社員が何年後かの自分たちの企業のあるべき姿を、思いうかべながら業務に取り組めたなら・・・
考えるだけでもずいぶん違う雰囲気になると思いませんか?    (*^_^*)

P・ドラッガーの「3人の石切工の話」をします。

ある人が、歩いていると3人の石切工に出会いました。そこでその人は、その3人の石切工に、「君は何を思いながら、この石を切っているのか?」と、質問をしました。

1番目の石切工は、「飯を食うために切っているのさ」と答えました。

2番目の石切工は、「俺はアメリカ一の石切工だと思いながら切っているんだ」と、答えました。

3番目の石切工は、「俺は教会の礎になる為の石を切っているのさ」と答えました。

さて、あなたが経営者なら、この3人の誰を採用しますか?

答えは、もちろん3番目の人ですよね・・・自分たちのやっていることの意義を、きちんと考えて仕事をこなしている。まさにビジョナリーですよね!皆がこの思いを持って仕事をする限り、手抜きもないでしょうし、仲間同士が協力もするでしょうし、よりよい仕事の工夫も怠らないはずです。

1番目は、ただ給料をもらうためにやっているだけ。これではいい仕事をする為の知恵と工夫はあまりでてこないでしょう・・・

2番目は、少し自信過剰気味。これでは扱いにくいし、頑固職人タイプです。多少なりともいい仕事はするかもしれないけれど、プロダクトアウト(※)の典型です。

※プロダクトアウト・・・作り手(生産者)が、これで良いはずだと思いこんで、商品を市場に供給するパターン。需要>供給の時はこれで良かったが、物あまりの現在では通用しない。反対に、市場(顧客)が何を望むかによって、商品やサービスができあがるパターンを、「マーケットイン」と称し、顧客満足経営の基本とされる。

さあ、今からでも遅くありません!経営理念・経営方針をつくりましょう・・・

※次回からは、いよいよ、再建計画書シリーズに入っていこうと思っております。

 

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