皆様、お元気ですか?
最近、会社の建て直しのお手伝いをする中で、色んな銀行と交渉する場面が多いのですが、その対応の仕方は、本当に銀行によって、千差万別だと感じます。
昔は、「担当者によって・・・」とか、「支店長によって・・・」とか、言われていたような気がするのですが、この頃は、銀行別に、かなりカラーが分かれてきたような気がします。
今では、銀行名を聞いただけで、多分このケースだと、このくらいの態度でくるだろうなというのが、ある程度想像できます。このあたりの話は、また、機会があれば、ゆっくりとさせていただこうと思います。 (*^_^*)
さて、今日も頑張っていきましょう!
◆長期の資金ニーズにはどんな種類がありますか?
前回まで、短期の資金の話をしてきた訳ですが、それでは、長期の資金ニーズには、どういったものがあるのでしょうか?
基本的には、資金使途(お金の使い道)は、大きく分けると、「運転資金」と「設備資金」に分かれます。更に、「運転資金」は、「短期運転資金」と「長期運転資金」に分かれます。(短期の資金の種類については、以前に説明した通りです。)
つまり、長期資金には、主に、「長期運転資金」と、「設備資金」があるわけです。
◆そもそも、短期資金と長期資金の境目は何ですか?
まず、短期と長期の境目ですが、短期資金とは、原則1年以内に返済できるだけの、返済財源がある資金だと考えて下さい。
1年以内に借りたり返したりして、反復していくのが、短期資金というイメージで結構だと思います。
それとは逆に、返済期日迄の期間が1年超えているものが、長期資金と考えて下さい。長い期間(1年超)を、少しずつ返していくのが、長期資金というイメージで結構です。
このシリーズの短期資金のコーナーでお話しした資金の内容を、思い返してみて下さい。赤字補填資金以外は、基本的に1年以内に返せる資金のはずです。ただし、経常運転資金については、厳密には、売掛金や在庫が同時にゼロになる瞬間は、殆どないと思いますから、現実問題としては、借りっぱなしの場合が多いかも分かりませんが・・・
◆じゃあ、長期運転資金とはどういうものですか?
まず「長期運転資金」ですが、基本的には「資金繰りを安定させるための資金」という風なイメージで捉えていただければ、分かりやすいかなと思います。
つまり、資金需要には波がありますから、常に資金繰りが安定する為には、いくらかの「余裕資金」が、必要なわけです。
しかし、それはあくまでも余裕資金ですから、特別に、それを返すあてが有るわけでは、ないですよね。
◆それじゃ、長期運転資金は、どうやって返すんですか?
良い質問をしてくれました! (^_^)v (自問自答やないかい・・)
特別に、あてが有るわけではなければ、後は、返済する財源は、二つしかありません。それは、これから生み出す「税引き後の利益」と、「減価償却」しかないのです。
つまり、長期資金(運転資金、設備資金)の返済財源は、原則的には、
「税引後利益」+「減価償却費」 となるわけです・・・
銀行が、お客様の長期借入金が返済可能かどうかを見るときにも、基本的には、この2つの返済原資が、あるかどうかを見ているのです。
つまり、これから先、借入企業が、どれだけの税引き後利益と、減価償却があるかを、予測しながら、返済計画が妥当かどうかを、判断していくわけです。
もし、この2つの返済原資で、返済計画が組めない場合には、銀行は基本的には、お金を貸してはくれません。
ただし、どうしても貸したい場合には、その他の返済原資として、「資産の売却資金」や、「増資による調達」、「他の借入による調達」等を、組み合わせていくわけです。
でも、これらがイレギュラーだということは、読者の皆様も、すぐ分かっていただけますよね・・・
◆ちょっと待って下さい。税引き後の利益が返済財源になると言うことは分かるのですが、なんで、減価償却費が返済財源になるのですか?
またまた、良い質問です! (一人でつっこんでどうするの・・・) (^_^;)
これについては、少し詳しく説明がしたいので、次回(長期資金:中編)で、きっちり説明させて頂きます。
( 続 く ・・・)