皆様、一週間ぶりのご無沙汰です。お元気ですか?会社の中で、元気なあいさつは、飛び交っていますか? 色んな理屈や理論より、やっぱり基本は明るい挨拶とか、人間関係ですよね。
今週もはりきって、明るく参りましょう。
◆どうすれば、資金繰りが楽になるのだろう・・・
先週は、自社の経常運転資金の計算方法について、簡単に説明してみました。
今週は、それでは、具体的に、どの程度のことをすれば、どの程度の資金が浮いて来るのかを、検討してみましょう。
繰り返しますが、これから先のことを、本当に意識してきちんとやると、少しずつ、「資金が浮いて」きます。なにも、お金を調達するのは、利益を出したり、銀行で借りたりするだけではないのです。自社のあり方を工夫していけば、資金を生み出す余地は残っている(かもしれない)のです。
折角ですから、それらの一番基本的なところを、今から考えてみましょう。
◆まずは、もう一度、経常運転資金のおさらいです。
経常運転資金=売掛債権+在庫負担資金-買掛債務でしたね。
ということは、単純に考えると、これを減らすには、下記の3つの方法が浮かんできます。
(1)売掛債権を減らす
(2)在庫を減らす
(3)買掛債務を増やす(これは、計算式でも引くわけですから、大きいほどいいのです)
それではまず、この(1)~(3)について、それぞれ少し詳しく見てみましょう。
◆売掛債権を減らして、資金繰りを良くしよう
(1)の売掛債権を減らすということですが、これは単純に売掛金と受取手形を出来るだけ小さくすることに尽きます。
◆まず、売掛金を小さくする手段は、どんなものがあるかといいますと・・・
・できるだけ掛け売りをなくし、現金売りにする。
これは、当然分かりますね。一番単純で、効果の大きい方法です。ただ、一般客相手の商売でなければ、難しいかもしれません。
もし、半分は掛け売り(60日)だったのを、全額現金に切り替えれば、売掛金平均サイトは、計算上30日短縮します。 月商が1000万円なら、まるまる1000万円の資金が浮いてくる計算になります。
・掛け売りの締めの回数を増やす。
今まで、月に1回しか締めてなかったのを、2回にすると、計算上は売掛金平均サイトが、7.5日短縮します。もし、月商が1000万円あれば、これだけで、250万円の資金が浮いてきます。
(1000万円×7.5日÷30日=250万円)
・請求書を早めに発送する。
当然、これをきちんとしないと、なかなか支払ってもらえない場合が多くあります。一日発送が遅れたために1ヶ月もらえる日がずれるのは、よくある話です。計算できるものではありませんが、日々きちんと管理していきましょう。
・掛け売りの条件を早めの回収に変える。
(例えば月末締めの翌月末払い→月末締めの翌月15日)
これも、根本的に考え直したい対策です。貴方の会社の回収条件は、他の会社に比べ、甘すぎませんか?もし、上の条件の例であれば、平均サイトは15日短縮しますので、月商1000万円なら、500万円浮いてきます。
(1000万円×15日÷30日=500万円)
如何ですか?結構馬鹿にならないお金が浮いてくるでしょう。銀行で借りれば、金利はつくし、難しい場合もありますが、上記の対策で資金を捻出する方法だって、立派な資金繰りの手法です。是非是非、もう一度、見直してみませんか?
◆次に、受取手形を小さくする方法を考えてみましょう・・・
・受取手形を、現金に切り替えてもらうこれがすんなり出来れば一番効果は絶大なのですが、そうはなかなかいかないかもしれません。
仮に、月商1000万円、受取手形比率50%、平均手形サイト90日の会社が、全額現金で受け取れれば、なんと1500万円の資金が浮いてきます。
それはちょっと無理・・・と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、グローバルスタンダードの観点からも、手形は減少の傾向ははっきりしておりますし、ダメもとでも、とりあえず、交渉してみましょう。
・手形サイトを短くしてもらう。
当然、これも大きいですよね。これも相手があるので難しいかもしれませんが、苦しいのはお互い様です。誠意を持って話せば、短くしてくれるところだってあるはずです。
仮に、平均サイト4ヶ月(120日)を、3ヶ月(90日)に短縮してもらえれば、もし、月商1000万円で、手形比率50%の会社ならば、500万円が浮いてきます。
(1000万円×50%×30日(短縮分)÷30日=500万円)
どうでしたか、これらの中にはかなり難しいと思うものもあるかもしれませんが、意識して徹底的にキャッシュフローをよくするために、こまめに対策を考えて交渉していけば、ずいぶん資金繰りは楽になってくるはずです。要は、細かい努力の積み重ねだと思います。是非、小さな事からこつこつと実行に移していって下さいませ。
※次回は、「在庫を減らす」方法と、「買掛債務を増やす」方法について、考えてみましょう。