事例からみる「中小 B to B 企業のマーケティング」

今回のテーマは、「B to Bマーケティング」です。
通常「マーケティング」と聞くと、一般の消費者に対して広告や販促活動をして商品を売っていくという流れをイメージするかと思います。
では、「B to B」マーケティングとはどういったものでしょうか。

 

「B to B(Business to Business)」とは

企業間取引のことで、「B to B企業」とは、企業の生産活動や組織の業務の遂行のために使用される財(生産財)を取り扱う企業をいいます。

弊社で現在お手伝いをさせていただいている中小企業様も、家電や自動車メーカーに部品を供給する部品メーカー、一般建築を主とする建設企業、介護施設等に食材を提供する食材卸など、多くの「B to B」企業様がいらっしゃいます。

実は、中小企業では消費財を扱う「B to C(Business to Consumer)」企業よりも、B to B企業が圧倒的に多いので、自らの会社もこのカテゴリーだとお気づきになった方も多いのではないでしょうか。
そしてこれらの「B to B」の企業様に必要となるマーケティングを「B to B マーケティング」と呼びます。

いま「必要となる」と書きましたが、これらの企業様の普段の事業活動の中で「マーケティング」の必要性が意識されることは正直少ないと思います。
しかし、私はある企業様の事例を通じて、中小B to B企業の生き残りや今後の競争優位の構築に「B to Bマーケティング」がとても重要であることに気づかされることになりました。

そこで連載第一回目は、その企業様(X社)の事例をもとに、『取引先との依存関係』をテーマとして考えたいと思います。

中小企業様の場合、相手先との関係作りにお悩みになっている経営者様も多いと思います。

第一回目では、X社がまさに直面した「特定先から受注が多いのはありがたいが、その分他の受注が受けられない…。以前は受注が多くあったのに、先方の購買方針で注文がなくなってしまった…。これから先、取引先に対して、どのように対応していこう…」というお悩みについて、事例を整理して、対応策を考えていければと思います。

また、今後の連載では、企業の購買行動における「意思決定関与者」をどう見極め、組織的に対応していくか、顧客情報をいかに収集するかなど、B to Bならではの重視すべきマーケティングのポイントについてみていきたいと思っています。
どうぞお付き合いくださいませ。

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