皆様、いかがお過ごしでしょうか?
今回から2回にわたっては、「在庫の管理」のお話させて頂きます。
A社は、卸売業を営む会社です。A社では、商品の仕入をした後、
「そのまま」売るものと、「簡単な加工(切ってサイズを変える程度の
もの)」を行って販売するものがあります。
A社の「在庫の管理」の現状は、仕入から販売に至るまでの営業担当者
個々人で在庫の状況を管理・把握しており、月末時点の在庫を経理で
取り纏めて「棚卸表」を作っているという状況です。
私:「A社長、月末時点で在庫の把握もできていますが、何か気になる
ことがあるんですか?」
A社長:「実は、月末時点の在庫は把握できているんですけど、売上の
割には、利益が少ないような気がするんですよね。」
私:「在庫の管理は、営業担当者がそれぞれ行っているとのことですが、
どのような管理を行っているんでしょうか?。」
A社長:「特に、決まったやり方があるという訳ではなく、営業担当者が
それぞれのやり方で行っている状況です。」
私:「では、月末に各営業担当者が経理に在庫の報告を行って、それを
経理が取り纏めて、各月の利益の計算を行っているということですね。」
A社長:「その通りです。正直、今、どのような在庫がどれだけあるかを
把握することによって、どのような売り物があるかが確認できれば、
それで良いと思っていました。だからこそ、各営業担当者に在庫を把握させ、
月一回、月末に経理に報告させるというやり方をしていました。
しかも、月次で在庫の有高を把握をすることによって、正確な損益を把握
できるので、そのやり方で十分だと思っていました。」
A社長の考え方は、決して間違ってはいませんし、月末時点の在庫を把握
してきたからこそ、「利益が少ないような気がする」という疑問に至った
のは、一つの成果と言えます。
では、現状の「在庫の管理」方法には、どのような問題があったのでしょ
うか?
次回は、その問題点と解決方法についてのお話をさせて頂きます。
萬屋博史(コンサルティング部長)
執筆者ご紹介 → http://ct.mgrp.jp/staff/yorozuya/