工場の生産工程は、「ふたを閉めてスイッチを入れたら、予定の時間に計画した量だけおいしいごはんが炊き上がる」というような単純なものではありません。
お客様の求めるいろいろな種類の注文、納期、コストに工場の持つ技術・ノウハウを駆使して対応しなければなりません。
しかも、他社との競争、海外との競争にさらされ、お客様の要求も厳しくなるばかりです。
そのため、工場の責任者は日々悩んでいるのです。
工場でよくあるいろいろな問題
・現場の整理整頓が行き届いていない
・不良品が発生する
・計画通りの生産ができていない
・納期に遅れる
・設備の故障やライントラブルが起こる
・生産コストが下がらない
みなさんの工場でもこのような問題が生じていますでしょうか。
生産管理とは
このような問題を解決するのが、生産管理です。
生産とは、「所定の品質・コスト・数量の製品を所定の期間に製作すること」です。
つまり、求められる品質(Quality)、コスト(Cost)、納期(Delivery)を満たすことが必要です。
そして、生産管理とは、このような生産活動を計画・調整して最適化を図ることなのです。
ラーメン屋でも、おいしくなければお客様は来てくれませんし、価格が高すぎても、待ち時間が長すぎてもお客様は満足してくれません。
生産管理とは、工場のいろいろな問題を解決して、おいしくて安くて早い商品をつくるために役立つものなのです。
生産の要素とは
そして、その生産活動は、人(Man)、機械(Machine)、材料(Material)、作業方法(Method)から構成されます。
料理で言えば、経験豊富なシェフ、良く切れる包丁や手入れの行き届いた鍋、安くて新鮮な素材、そして調理方法ということですね。
これらを工夫することで、「おいしく・安く・早い」が実現できるのです。
生産管理のいろいろな手法
QC活動、JIT、かんばん方式、シックスシグマ、TQC、TPM、TOC・・・・皆さんも、このような名前を聞いたことがあると思いますし、取り組んでいらっしゃる方もおられると思います。
多くの会社が工場の問題を解決するために、このような改善活動に取り組んでいます。
これらは、とても効果的な手法ではありますが、この手法を導入しなければ改善できない訳ではありませんし、導入した工場がすべてうまくいっている訳でもありません。
大切なのは、生産管理の考え方をきちんと理解した上で、手法を上手に使う事です。
今回のシリーズでは、読むだけで生産管理の考え方が理解でき、「やってみようかな」と思っていただけるように、テーマごとに、基本的な考え方と実践事例をご紹介してまいります。
次回から具体的なテーマに入っていきます。
お楽しみに。
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この記事の執筆者
澤田 兼一郎
(株式会社みどり合同経営 代表取締役/中小企業診断士)
立命館大学経済学部経済学科卒業、第二地方銀行を経て当社に入社。中小企業を中心に、経営計画や事業計画の実行性を高める、現場主義のコンサルティングを実施。
特に中小建設業、製造業の経営管理体制の構築、実行力を高めていく組織再構築等のノウハウ等について評価を受ける。
犬飼 あゆみ
(株式会社みどり合同経営 取締役/中小企業診断士)
一橋大学法学部卒業、大手自動車会社のバイヤー(部品調達)として勤務後、当社へ入社。
企業評価における事業DDのスペシャリスト。事業DDでの経営課題の洗い出しをもとに、事業計画や経営計画(利益計画&行動計画)の策定・実行支援が専門分野。