第12回 管理資料を使った従業員モチベーションの向上について

皆様こんには。

前回は、改善に向けた取り組みを継続的に行っていくために、部下たちのモチベーションをどのように高めていくかをプロジェクトメンバーで話し合い、「情報開示」、「賞与の予算化」、「計画的な社員採用」の3つの施策を出したとをお話しました。

1つ目の情報開示は、これまでお話してきました社内の管理資料が固まってき段階で、これを全社員向けに開示したということです。

これまで、「今は忙しいから儲かっているんだろう」とか、「今は仕事が少ないら、そうでもないのかな」など、感覚程度にしかわからなかった会社の業績が示されることで、毎月、受注残を残さないように厳しく言われてきたことや、場での「コスト意識」を繰り返し言われてきたことの意味が、少しずつわかるうになってきた気がします。

また、更なる動機づけの1つが、「賞与の予算化」です。管理資料で、毎月の算と実績の対比を行いますが、毎月の予算をオーバーした利益部分を賞与引金として予算化してはどうかという議論が出てきました。

これまで、会社全体の決算(中間・期末)見込みが出てから、「今年は賞与ナ」とか「○万円だけ」と会社から一方的に言われていた従業員にとって、自たちの頑張り次第で、賞与引当金が積み上がっていくことを実感できること、やる気の面で大きな違いとなることは、ご想像いただけるのではないかといます。

今は全社一律での引当てですが、今後さらに部門別管理を徹底させいくことで、部門別の引当も検討していくことができるのではないかと議論進んでいます。

※補足:管理可能な経費は、当初より経費予算として計上し、月単位で実績上経費として計上していきますが、A社の場合は、賞与が管理可能な経費とは言ないため、利益が出れば、そこから毎月引当していく方法もあるのではないと、弊社では考えています。

このように、管理資料を使って単に予算と実績の対比を行うだけでなく、予算達成できた場合に「具体的にこうなる」というイメージを持つことができる、従業員のモチベーションは明らかに変わってきます。

もう1つの施策である「計画的な社員採用」も同様です。
例えば、ある事業について、○月までにこれだけの売上・利益目標が達成できば、新入社員を1名採用するといった計画を予算に織り込みます。
これまで数年間、定期採用ができていなかったA社の若手社員にとっては、れも大きくやる気につながっています。

これまでの連載でA社が、社長依存の体質から、課長クラス中心のプロジェクを立ち上げ、自ら顧客思考を意識しながら、自主性を持って社内の様々な問解決にあたってきたこと、そしてその取り組みに部下たちを巻き込んでいっことをお話してきました。連載としてお話するとスムーズに聞かれたかもしませんが、実際には様々な紆余曲折があったと感じています。ここまでお付合いくださりありがとうございました。

次回は本連載の最終回として、これまでの話のまとめをお送りしたいと思います。

みどり合同経営 コンサルティング部門 副部長
シニアコンサルタント 澤田 兼一郎
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みどり合同経営 コンサルティング部門
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