「意識」のリストラとは、まさしく意識改革のことです。経営者、従業員含めての意識改革です。私どもが、得意としている受注工事業で言えば、「少しくらいの赤字工事は仕方がないという常識を変える」ことにあたります。
当たり前といえば当たり前ですが、会社再生成功の一番のポイントは、経営陣も含めた社員全員の意識改革になります。かなりの労力をかけて策定した再生計画も、それを現場で実行していく社員の「やる気」がなければ、100%絵に描いたもちになります。仮に債権者等の外部のチェックがあれば、そのチェックがある間は計画をクリアーできるでしょう。嫌でも仕方なしにせざるを得ない状況になりますから。
しかしそれで、会社の再生といえるでしょうか?おそらく、意識改革なしに、強引に外部の力を利用しただけでは、それがなくなった時点で、もとの「ぬるま湯」組織への逆回転を開始することになると思われます。
あのトヨタが、常にカイゼン活動を行うのも、その行動自体が目的ではなく、その意識を持ち続けることを目的としていることからも分かります。トヨタでは常に、「なぜ」を5回繰り返し、表面に現れてくる問題点の根本原因を探求するという考え方が定着しています。その考え方のもと、「なぜ」生産性が上がらないのかを追求した結果、「意識の低さ」が根本と分かり、常にカイゼン活動をし続けるということで、「意識の低さ」をカイゼンしているのではないでしょうか。
少し固い話になりましたが、「意識改革なくして真の会社再生はない」ということをご理解して頂きたいのです。利益上がって終了ではなく、企業は、永年にわたり存続していく体制が整って再生ではないでしょうか。
そうは言っても意識改革はどうやったらできるのか。次に、私どもが現場で実践していることを参考に、具体策を考えていきましょう。