受注工事業を参考に、必要管理について考えています。今回は引き続き「過去の管理」について考えていくことにします。
過去の管理の一つである試算表。その試算表を価値あるものにする為には、
(1) スピードがあり
(2) 比べる対象があり
(3) 分かりやすいこと
の3つが揃う必要があるとお話しました。それでは、詳しく説明していくことにします。
(1) スピードがありとは、
字のごとく、古新聞にならないように早く試算表として資料にすることです。目標としては、翌月20日までには出したいものです。理由は明らか、半年ごとや決算だけで業績をチェックすることは、体の調子が少し悪いが病院行かずにほったらかしにするのと同じです。すでに手遅れという状態に成りかねないわけです。
実は試算表を翌月20日までに仕上げるのは結構難しいのです。というのも、試算表は月内の様々な担当部署の業務から出てきた数値資料に基づいて出来上がるものです。ということは、一つの業務でも期日どおりにできなければ、試算表が期日どおりに出来上がらなくなるからです。あくまで試算表は最終の数値の集計であり、そこまでに来る業務フロー全体の整流化が必要なのです。
銀行で勤めているときは、「なぜ、試算表をすぐに作ることができないのか?」と理由が分かりませんでした。その時は、経理担当者の怠慢程度にしか考えていなかった自分が今では、恥ずかしい限りです。
私どもでは、この辺りの経理・会計業務の落とし込みは、メインに北野税理士、サポートで業務フロー担当の山下コンサルタントが担当しています。期日が少しばかり遅くなる程度であれば、1~2ヶ月程度の遅れで試算表が出てくるだけまともかもしれません。しかしながら、再生が必要な企業ほど試算表すらできないというのが実態です。ですから、そのような状態から翌月20日程度で試算表を提出できる体制に持っていく為には、適正な業務フロー全体を設計し、流れを最適化、整流化していかなければできないのです。