「管理」のリストラクチャリング8

受注工事業を参考に、必要「管理」について考えています。今回から、「過去の管理」について考えていくことにします。

「過去の管理」とは、当たり前ですが結果としてどうなっているのかを管理することです。過去の管理をするためのものとして、試算表や決算書があげられるのではないでしょうか。私どもでは、成績表や新聞などに例えて、お客様に重要性を説明しています。

その中でも、月一回の管理資料として出てくる試算表について考えてみます。

簡単に月一回と言いましたが、試算表がきちんと月ごとに出てくる中小企業は本当に少ないと言えます。ましてや、価値ある試算表となると、私の経験ではお目に掛かったことはありません。

少し余談になりますが、私自身、銀行員時代には試算表は重視していませんでした。とにかく決算書の数値が、その企業へ融資するかしないかの判断をするウエイトのほとんど占めていました。ですから、多少試算表が良くても企業に対する判断は変わらなかったと記憶しています。本当にお恥ずかしい話です。
現在の企業の姿を見ようとすると試算表で判断するのが一番良いのは、誰が考えても当たり前の話です。通常決算書は、決算月から2ヶ月後に金融機関等のステークホルダーに開示されます。ということは、その時点から1年2ヶ月前の数値から2ヶ月前の数値を合算したものということになります。どうでしょうか?それを判断材料に融資の審査をするのは、変化対応が求められる時代に余りにもリスクが大きいように感じるのは、私だけではないはずです。(けして決算書が必要ないということではありませんよ)

それでは、価値ある試算表とはどのようなものでしょうか。私は以下の三つが揃って価値ある試算表と考えています。
 (1)スピードがあり
 (2)比べる対象があり
 (3)分かりやすいこと

それでは、次回は以上の3つについて詳しく説明していくことにします。

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