受注工事業を参考に、必要「管理」について考えています。今回も引き続き(2)リアルタイムの管理についての落とし込みのポイントについて考えていくことにしましょう。
3~4ヶ月で通常業務として流していく為のポイントは、
(1)徹底的した明文化(目に観える化)
(2)業務期限の全体チェック
(3)管理資料からの結果報告の情報開示
になるとお話しました。それでは、順番に詳細を説明したいと思います。
(1)徹底した明文化(見に観える化)とは、
マニュアルを作成して各人に持って利用してもらうという情報共有ではなく、共通の掲示場に張り出し同じものを目にすることです。マニュアルを配られて机の中にしまえば最後、二度と開くことがないという経験は、私だけではないはずです。「目に観える化」はトヨタで実践されているもので、効果をあげている手法の一つです。
(2)業務期限の全体チェックとは、
朝礼等で、責任者がその日に期限のある業務を担当者に確認するという、至って原始的な方法です。原始的ですが、結果を求めるならこの方法が一番ベストです。コンサルタントからすると、期限までに決めたことをしていただくことが、まずプロジュエクトを成功するポイントになります。その上で現場の実践経験から全体チェックは効果的です。
(3)管理資料からの結果報告の情報開示とは、
新たな業務によって出てきた管理資料が、どれほど会社全体にとって業績を左右するものであるかを納得するまで説明することです。その時に、理論的なことではなく、実際の工事における結果としてどのような結果になったのかを示せば、業務の価値を認識してもらえ、今後の行動が明らかに変わってきます。
私どもでは、以上のポイントを抑えながらリアルタイム管理の業務への落とし込みを行っています。実際のコンサル現場では非常に重要なフェーズであり、従業員にとっても、私どもにとっても重たい時期でもあります。しかしながら、これを乗り切れば明らかに会社の管理のしくみが変化します。つまり、受注工事業におけるリアルタイム管理のポイントである、一件毎の工事管理の土台ができたことになり、業績回復の第一歩を踏み出したことになるのです。