受注工事業を参考に、必要「管理」について考えています。今回も引き続き、
(2)リアルタイムの管理について考えていくことにしましょう。
受注工事業におけるリアルタイム管理の必要性について前回お話しました。では、余裕がない業績の悪化した中小企業でどのようにリアルタイムの管理を構築していくのか見ていくことにします。
リアルタイムの管理をしていく為には、通常業務にプラスした業務が発生してきます。具体的に言いますと、発注書の発行の徹底と発注書の入力の徹底です。
まず、理由を説明します。通常一件の工事毎の予算と実績対比は、請求書ベースの実行予算対比の資料がほとんどの会社で行われていることです。通常請求書は、月一度の締日に基づいて、仕入、外注先から、送付されてきます。ですから、請求書での実行予算と実績対比の資料は1ヶ月以上前の実行予算と実績の対比になるわけです。
前回お話ししたとおり、それでは終わってしまっている工事もあるわけですから、赤字発生やさらなる利益幅増大のアクションプランがリアルタイムに実行できないことになるのです。
中には、発注書ベースでの管理を強いる会社もあるのですが、一管理担当者レベルであり、組織として仕組みできている会社は、ほとんどないと言えます。
では、「発注書の徹底と発注書の入力の徹底」の業務をどのように通常業務に上乗せして落とし込んでいくのかを見ていきます。まず現状の業務全般のフロー調査を行います。一人一人の業務内容を洗い出し、現状の流れを把握するのです。当社では、山下コンサルタントが担当です。重要なことは、一人一人の担当者から個別に聞き出し、一つの業務の流れを徹底的に追っていくことにあります。
ほとんどの会社でそうですが、各担当者のレベルではそれなりに工夫して、業務の効率化を考え実行されているのですが、全体の流れを見ての効率化はほとんどなされていません。個々のボトルネックは効率化を図っているのですが、全体のボトルネックの効率化はまったくできておらず、結局全体の流れはほとんど改善できていないというのが実態です。
そこで、先に述べました業務全般のフロー調査を行い、一つ一つの業務で全体の流れからのボトルネックを見つけていくことにしています。次にそれに基づき、ボトルネック解消の設計図を作成、落とし込みをしていくことになります。
それでは、次回そのあたりについて考えていくことにしましょう。