それでは今回も、前回に引き続き、工事別管理カードについて考えていくことにしましょう。
前回まで、工事別管理カードについての流れ、利用について説明しました。今回は、工事管理カードが具体的な工事管理にどのような影響を与えるのか考えていくことにしましょう。
私どもがお手伝いをさせていただいている中で、赤字工事の要因として多いのが、
・工事を受注した時から赤字
・工事の途中の追加、変更による赤字(請求が出来なかった)
以上の2点になります。
このことを防止する為には、発注書ベースの管理を徹底すること、早めに社内で情報共有をすることになります。その中でも、今回ポイントとしたいのは、工事の途中の追加、変更による赤字についてです。
発注書ベースでの管理を徹底していくことで、ある程度早い段階で追加、変更工事については掴むことができます。しかしながら、情報を掴んで終わりでは意味がありません。当たり前ですが、施主及び元請にきちんと話をすることが必要です。その際話しした、日時、相手をカードに記載し残しておくことが重要になります。あとでのトラブルを防ぐためにはどうしても何らかの形で残しておく必要があるのです。
実際お手伝いをさせていただいているお客様のところでも良くあることなのですが、とにかくこの業界では追加、変更に伴う請求がきちんともらえないことでのトラブルが非常に多いのです。実際裁判になることもありますし、会社が倒産してしまったという事実もあるのです。ですから、きちんと証拠を残すことは、自社を守る為にも絶対必要なのです。