会社には様々な情報が膨大に流れ、蓄積され、消えています。そうした情報の中から、必要なものをきちんとしたしくみを作り構築、そして、経営そのものに生かせるようなしくみを作ることが、「情報」のリストラクチャリングになります。
情報には、大きく分けて2つ分かれると考えています。まず1つは、先に述べました「管理」のリストラクチャリングにより定期的に管理資料として出てくる情報。つまり会社の情報です。そして、2つ目が、個人が業務の現場で蓄積してきたノウハウとしての情報です。
まず、管理資料として出てくる情報に関しては、管理のリストラにより定期的に出てきるしくみが構築されていますから、情報として共有できる可能性は高いわけです。しかしながら、個人の現場で蓄積されたノウハウはどうでしょうか。これを、定期的に管理資料として出していくことは、ほぼ不可能ではないでしょうか。
個人のノウハウとは受注工事業で言えば、仕事を獲得する上での様々なコネクションがそれの一つにあたります。例えば「みどり合同改築工事」という見込み物件があったとします。仮に、地区的にAという営業が担当だとしましょう。みどり合同の奥さんとその会社の営業Bが知り合いだとしても、ほとんどの会社で営業Bがそのコネクションを利用し、営業Aに仕事をとれるように口利きするということはなされません。
再生を要する中小企業では、そのような初歩的な個人ノウハウの共有もなされていないことがほとんどです。先にも述べたように、そのような会社では人間関係も悪化している状況ですから、当たり前といえば当たり前かもしれません。
では、個人的なノウハウの情報を共有するしくみをわざわざ作る必要は無いかといえば、そうでは決してありません。ほとんどの中小企業で言えることですが、ある特定の人にノウハウが蓄積されていることがほとんどなのです。分かりやすく言えば、仕事のほとんどを、特定の営業マンが獲得している、大口の工事は、同じ工事管理担当者でなければできないといったことです。
ということは、この個人的なノウハウこそ業績回復の基になる可能性が高い情報ということであり、情報として共有するしくみを構築しなければならないということです。
では、どのようにそれを共有していくのかを次に考えることにします。