皆様こんにちは。
前回は、会議で共有を始めた全社資料について、ポイントが2つあることをお話しました。
(1)全社数値だけでなく、部門別(A社の場合は、内製と外注という区分)に管理すること
(2)次に貢献利益に着目し、現場が自分たちでコントロールし得る数値で管理すること、です。
部門別に管理することの意義は前回お話した通りですが、続けて今回は、(2)についてお話したいと思います。貢献利益とは、これも繰り返しになりますが、粗利と違い、売上高から材料費等の外部購入費用を控除した利益になります。
一方、粗利は、売上高から外部購入費用に加えて、製造にかかる固定費(製造に関わる方の人件費等)を控除した利益になります。
製造に関わる方の人件費等は、ようは固定費ですから、多少仕事量が変動しても、毎月さほど変わることはありません。そこで、この固定費を吸収して利益を出すためには、最低いくらの貢献利益を稼がなければならないかを考えるほうが、粗利で考えるよりも、シンプルでわかりやすいということです。
また、製造の人件費等は、現場の課長さんたちが勝手に削減するわけにもいかず、いわばコントロールしづらい経費ですが、材料費等の外部購入費用であれば、自分たちの頑張り次第でコントロールでき、やる気も生まれます。
たとえば、貢献利益を上げるために、材料のロスを少なくしようとか、資材関係の値下げ交渉を頑張ろうなどです。ミーティングでは、「こんなことをしてみたら?」と、和気あいあいとした雰囲気で、色々な意見が出てくるようになりました。
さらに、これまで「社長は『他社が難しいといって断った仕事』だとすぐに請けてきてしまうから困る!」と製造担当者から倦厭されていましたが、これらの仕事は貢献利益率が高いことにも気がつき、難易度の高い仕事の良い点、ひいては、社長の考えていることが少し共有できるようになりました。
このような取り組みを継続的に行っていくためには、課長さんたちの意識向上にプラスして、部下たちのモチベーションをあげていくことも重要です。特にA社では、「忙しいのに、会社は利益が出ていないといって、お給料は上がらない・・・」と不満の声もちらちら聞こえてきます。
「どうしたらみんなにやる気なってもらえるのか?」とミーティングで真剣に話し合った結果、部下たちの動機づけのために、いくつかの施策を考えました。
次回のメルマガで、「情報開示」、「賞与の予算化」、「計画的な社員採用」の3つについて、ご紹介したいと思っています。
みどり合同経営 コンサルティング部門 副部長
シニアコンサルタント 澤田 兼一郎
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みどり合同経営 コンサルティング部門
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