第8回 A社のPJミーティングより2(お客様の意外な一言)

皆様こんにちは。前回は、A社でのプロジェクトミーティングの中で、自分たちでお客様とのパイプを太くするために、大きく3つのテーマ(以下)を決めたことをお話しました。

 

(1) 社長任せにするのではなく、自分たちで直接お客様と話をしよう (特に技術者同士)

 

(2) それだけでなく、新聞記事等からも情報収集をして、お客様の大きな方向感を掴もう

 

(3) これらの情報を社内で共有しよう(カルテづくり)

 

これまでは、ほとんど社長が中心となっていたお客様とのやり取りですが、技術者同士で話をしてみると、意外なことにも気づきました。

 

T課長(試作):先日、お客様から、「御社にこんな部品をお願いしてもいいのかな。あまり簡単な部品だと、なんだか逆に悪い気がして、これまで社長には言えなかったんだけど」って言われたよ。結構おいしい部品なんだけど。

 

S課長(量産):そういうのって、もしかしたら結構あるかもしれないね。お客様の担当者としても、わざわざ社長を呼び出すには、「うちじゃなきゃできない」っていうのしか振りづらいよね。そうやって、うちが取りこぼしている仕事も多いのかもしれない。

 

技術者同士で話をすることは、技術面での確認等をスムーズにするということだけでなく、社長だけでは築けない顧客との関係というのもあるものだと改めて感じさせられました。

また、(3)の顧客カルテでは、顧客との対話の内容や、新たな情報収集を都度、記録していける形としました。
たとえば、「現在いただいているこの部品は、1年後をめどに海外移転しそうだ」とか、「新規でこういう話をいただいて、年間〇百万円の仕事になりそう」、などです。そして、それを会議の場で共有します。

 

これらの取り組みはまだまだスタートしたばかりで、具体的にどう動けばいいのかがわからない問題も多いのが実情です。しかし、「お客様がやろうとしていることを先取りして提案すれば、仕事は来る」ということを何となくイメージできるようになりました。

 

最初は営業面での議論が中心だったプロジェクトミーティングですが、顧客思考が少し身についてくると、自分たちの日常業務についても、自然と疑問がわいてきました。これはまた次回にお話ししたいと思います。

 

みどり合同経営 コンサルティング部門 副部長
シニアコンサルタント 澤田 兼一郎
執筆者ご紹介 → http://ct.mgrp.jp/staff/sawada/

 

みどり合同経営 コンサルティング部門
中小企業診断士 犬飼あゆみ
執筆者ご紹介 → http://ct.mgrp.jp/staff/inukai/

 

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