今回から、事例企業をもとに、中小製造業を対象とした「社内活性化プロセス」についてお話ししたいと思っています。今回は事例企業A社のご紹介と、A社の現状についてです。
A社は、従業員数約50名のプレス加工メーカーです。自動車や電気機器メーカー向けに、試作から自社設計での金型製作、量産、アセンブリー、検査までの一貫生産による難易度の高いプレス加工を得意分野にしています。
特に、従来は鍛造加工後切削加工をしていたような複雑形状かつ要求精度の高い部品をプレス加工に変更し、コストダウンの提案をしていく当社の技術提案力は、他社にはない強みとなっています。
「難しいものならA社」というのが、既存顧客の中である程度浸透しており、特に営業をしなくても、一流企業から「こんなのできないか?」と頼られる存在になっています。
本メルマガにご登場いただく主要メンバーをご紹介しましょう。
社長:カリスマ社長。頭の回転がめちゃくちゃ速い。
業務部長:主に既存顧客からの受注業務と、仕入先との購買業務を担当。面倒見がよいタイプで、従業員からの信頼が厚い。
経理部長:経理、総務全般を担当。仕事の精度やスピードには、辛口社長も一目置く存在。
S課長:量産を担当する製造課長。コツコツ真面目に積み上げるタイプが量産向きと社長に期待されている。
T課長:試作を担当する製造課長。試行錯誤をしながら粘り強く考えるタイプが試作向きと社長に期待されている。
これは、社長を除いた場面での、ちょっとした打合せ風景です。
「うちの社長は、他社が難しいといって断った仕事だと、すぐに拾ってきちゃうよね。」
「まあ、そういう特殊なことにチャレンジする社長の気概が、お客さんに評価されているんだろうな。でも現場は こんなのできないよ!って、悩みは多いだろうね。」
「まあね。でもできないときは、社長に泣きつけば、社長が助けてくれるって思っている従業員も多いよ。自分にも、そんなところがあるかもしれないな。」
「結局、社長は経営のトップだけでなく、技術面でもトップだからね・・・」
そんなスーパー社長も、忙しさのあまりお客様との約束事を忘れてしまったりと、色々と問題もあるようです。次回、A社の現状の問題点などを、もう少しお話したいと思います。
みどり合同経営 コンサルティング部門 副部長
シニアコンサルタント 澤田 兼一郎
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みどり合同経営 コンサルティング部門
中小企業診断士 犬飼あゆみ
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