「情報」のリストラクチャリング11

それでは今回より、工事別管理カードについて考えていくことにしましょう。

前回もお話しましたとおり、工事別管理カードとは、工事案件毎に営業段階から情報を記載していくもので、最終は工事台帳とともに管理していただくものです。その時の担当者、つまり受注前なら営業担当者、受注後は工事担当者が、工事終了後は管理部門(経理部門)がカードの記載を担当し、報告、連絡、相談の記載はもちろん、会議で決定されたアクションプランの記載と結果報告もお願いする、全社的な情報ツールになります。

まず、工事別管理カードの詳細な流れについて説明しますと、『「管理」のリストラ』のところで説明した、ランク別受注予定表が起点になります。営業担当者が案件として追いかけている物件をランク別受注予定表に記載することになっています。ですから、記載された時点でカードにすることにしています。この時点では、営業担当者が工事別管理カードの担当者になり、営業マンを管理する立場の方が、全体の案件を把握するという責任も同じく持っているわけですから、カードの全体の管理も行うことになります。
 
次に、工事管理担当者への引継ぎになります。工事担当者は、自分が担当してる工事について、カードも担当してもらいます。営業と同じように、工事担当者を管理する立場の方が、カードの全体の管理も行うことになります。そして、最終的に管理部門(経理部門)に工事が終わった時点でカードを手渡し、精算して終了という流れになります。

また、省力化の為にも営業段階での管理カードは、受注になった物件だけで言いのではないかという意見をお聞きします。もちろん、受注になった時点で即座にそれまでの施主の方、もしくはお客様とのやり取りをカード化し記載できたらいいのですが、現実は非常に難しいと思います。
そもそも、人間がやり取りをメモにとらずに覚えておけるのも限界がありますし、メモからの転記をまとめてするというのは結局手間です。しかも、あくまでメモを転記するとなるとその時の記憶がないことによる漏れが必ずあります。私どもも、お客様との会議や打ち合わせについて議事録を作成しますが、3日以上立ってからまとめようと思うと、当日もしくは明日までに作成する時間の倍近くの時間が必要になります。

それと、営業をしていたが受注できなかった物件の情報も、利用できるため、営業段階の物件についても管理カードを徹底する必要があるということです。説明するまでもなく、なぜ「受注できなかった」という情報をきちんと把握することは、今後の会社の営業戦略にも生かせます。会社全体のこと考えると、営業段階からの管理カードの徹底は、絶対必要になるわけです。また、工事管理について、このことがどのような影響を与えるのか次回は考えていくことにします。

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