「意識改革」について、どのようなアプローチで行い、それを行うべき外部コンサルタントもしくはリーダーにどのような能力が必要か考えてきました。あくまで現場で実践してきた経験からの考え方で、泥臭い所はお許しください。
最近現場でのコンサルティングから、再生を要する中小企業を大きく2つに分けることができることが分かってきました。それは経営者が創業者であるかないかで、私どものコンサルティングメニューを組織に落とし込むのに要する時間がまったく違うということです。経営者が創業者である会社ほど時間が早く、そうでない会社つまり、2代目、3代目の方が経営者の会社では、非常に手間と時間が必要になるのです。
その違いはどこにあるのでしょうか?経営の神様である松下幸之助や船井総合研究所の船井会長の言葉を借りるなら、生命をかけることができかできないかにあると思われます。
私はよく、2代目、3代目の経営者の方々に次のように質問します、「この仕事好きですか?」と。「大好きです」と即答していただける方には、なかなかお目にかかったことがありません。創業者の方は自分の好きなことだから、経営者となっていますが、2代目、3代目の方は「宿命」で経営者になっている方がほとんどで、好き嫌いの問題ではないようです。
しかしながら、「好き」でないことで成功する可能性は非常に少ないと思いますし、まして「生命をかける」ことなどできるはずありません。つまり、なぜ手間と時間が必要になってくるのかというと、「経営者」自身の意識改革を、コンサルティングを実践していく中でしていくことになるからです。「創業者である経営者」はその必要はないのかというと、お手伝いする前の段階で実は意識改革が可能であるのです。その理由は、すでに「好き」なことであり、「生命をかけている」から、意識改革が早いのです。そのあたりの具体的な方法については、長くなりますので又の機会にお話させていただきたいと思います。
「意識のリストラクチャリング」の最初にお話しました「意識改革なくして真の会社再生はない」ことは、昨今の事業再生の中では当たり前になっています。それがポイントであるとも言えます。日本電産の永守社長、キョウデンの橋本社長、は「意識改革」を重点に考え、成功されている代表的な経営者です。橋本社長の講演をお聞きする機会がありました。従業員の方々に発する「言葉」を非常に大切にされる方で、従業員のやる気を出さす為にはどのように物事を説明、理解させたらいいのかを一番に考えているとのことでした。その橋本社長の言葉に「経営者の一言が従業員に与える影響は、従業員の一言が経営者に与える影響の10倍である」との言葉は非常に納得させられた言葉でした。つまり、トッ
プの意識改革ができれば、従業員の意識改革は非常にスムーズに進むということです。
中小企業再生のポイント「意識」のリストラで土壌は整いました。次は、その土壌を生かして実際に結果をだす仕組みづくりをしていくことになります。それが「管理」と「情報」のリストラです。次回よりまず「管理」のリストラから考えていくことにしましょう。