「理解」していただくためには、過去の実績に基づいて事実を示し正しい認識を持ってもらうこと、つまり会社の様々なデータから導き出された真実を理解してもらうことであるとお話しました。それでは、今回は「理解」していただく為にはどのような能力が必要か考えていきましょう。
「聞く」体制になってもらうために必要な能力は、「相手の悩んでいることを即座に感じ取り、的確な改善策を提示できる能力」であり、営業職を経験することが一番の訓練であるとお話しました。それでは、「理解」していただくためには、どのような能力と訓練が必要かと言いますと、「ごちゃ混ぜになった過去のデータを整理し分析、分かりやすく表現する能力」であり、システムエンジニアを経験することが一番の訓練であると思われます。
前回もお話しましたとおり、受注工事業での中の一例で言えば、「過去の工事台帳分析」であり、過去数年間に亘るすべての工事データから、ゼネコン別、営業担当者別、工種別はもちろん、先方の現場監督・自社営業担当別、期間別、金額別等々の集計から分析を行います。そこから、様々な特徴を見出し、会社の長所と短所を明確にし、方向性を示していくわけです。それで終わりではありません。そこから、誰もが「理解」できる資料で、「理解」していただくわけです。つまり、簡単にかつ明瞭、小学生でも理解できる資料ということです。
当社では、SE出身の小池コンサルタントがこの部分を担当しています。簡単かつ明瞭のポイントとして、図で表現できることがあげられます。そのように、全体の分析を行い、それの特徴を図に表し表現する能力を仕事としているのが、SEに他ならないと思われます。様々なお客様の要望を聞き入れ、会社の現状あるデータから、新たな設計図を作成、それをプレゼンする仕事であるSEは、まさにこの能力を養うにはもってこいの職業ではないでしょうか。
「聞く」→「理解」まで考えてきました。それでは最終アプローチ「気づき」について詳しくお話していくことにします。