「意識」のリストラクチャリング2

それでは、意識改革を具体的にどのようにしていくのか、考えていきましょう。単純な質問です。「人に意識改革をしてもらう為には、何が必要でしょうか?」

 
私自身、この質問をあらゆる経営者や経営陣と呼ばれている方、また管理職と呼ばれる方に投げかけます。答えは、人それぞれにあるものです。私自身の答えは、「まずは信頼関係」です。

意識改革とは、自身の考えている常識を変えることです。常識とは、人との出会いと経験に基づいて構築された意識だと私は考えています。人とは、親や恩師、友人または、先輩等でしょうか。ということは、人の常識を変える為には、新たな人との出会いであり、新たな経験になります。ですから、私自身が実践している「意識」のリストラクチャリングとは、「新たな人の出会い」と「新たな経験」を柱に考えて行っています。あたりまえです。意識改革とは、常識を変えること、つまり、新たな常識を作ることですから。

「今までの常識を変える」という思いでは、意識改革は成功しないと思います。「新たな常識を作るという」思いであれば、成功する確率はあがります。自身に置き換えてみると良く分かります。「今までの常識を変える」とは、その人の価値観を否定するところからスタートします。私は100%断言できますが、自分の価値観を否定されたら不愉快です。絶対みなさん同じはずです。では、「新たな常識を作ること」はというと、その人の価値観を肯定する、聞き入れるところからスタートします。これも100%断言できますが、自分の価値観を肯定されたら非常に気分のいいものです。ですから、意識改革をしてもらうとは、新たな常識を作ることとした方が、成功する可能性が高くなるのです。

それでは私自身の答え「まずは信頼関係」について説明します。2つの柱「新たな出会い」と「新たな経験」で意識改革を進めていくのは、お話しました。その2つを実践するためには、「まず信頼関係」がなければ、新たな出会いと新たな経験が役に立たなくなるのです。

これも自身に置き換えていただければよく分かります。信頼関係がない人に何かアドバイスされて、アドバイスどおりにしようと思うでしょうか。私は100%ないと断言できます。人は信頼している人以外の話を聞こうとはしません、絶対に。ということは、信頼できる人との出会い、その上で経験があって初めて役に立つ、つまり、新たな常識を作ることができるということです。

本当に当たり前のことです。でも、このことを理解せずに、意識改革を進めていこうとしている会社を本当によくお見受けします。そのような会社の社長から出てくる言葉は、「どんなに話しても、決まりを作っても意識改革できないんだよ」です。当たり前です。信頼関係がない人のアドバイスはもともと聞く体制にないのですから。ではどのように信頼関係を作って行けばいいのかを、次回考えていきましょう。

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