はじめに
皆様こんにちは。今回から新連載として、中小製造業を対象とした「社内活性化プロセス」についてご紹介したいと思います。
中小企業の多くの御会社では、スーパーマンのような社長が営業から技術まで一人で何でもこなし、すべての意思決定が社長に集中しているというケースが多いように思います。そして、その傾向は特に製造業で多いと言われています(あくまでも一般論です)。
もちろん、ほとんどの御会社では、作業標準や品質管理表などの整備により、社長がいちいちチェックをしなくても、日々の生産ラインはきちんと回るようになっていると思います。
しかし、そういった管理の仕組み自体は社長が考え、現場に落とし込んでいるということが多いのではないでしょうか。
また、新製品や新技術の開発はどうでしょうか。
そのアイデアから、具体化の方策、販売見込み数量の検討、具体的な設備投資計画、そのための資金調達・・・これらのほとんどが、社長がいないと始まらないというご会社が多いように思います。
どうしてこうなってしまうのでしょうか。
それは、中小製造業では、社長、もしくは社長と一部の経営陣を除くと、直接お客様と接する機会が少なく、どうしても顧客思考でない場合が多いからではないでしょうか。
営業担当者がいる場合には違うかもしれませんが、たとえば売上高10億円前後の御会社であれば、日々の受注業務の担当者以外に、営業担当者は置いていないというご会社も多いと思います。
顧客思考でないと、お客様のニーズがわからず、新製品や新技術のアイデアを出そうにも難しいのが実情です。
また、生産ラインにおいても、お客様の視点がわからなければ、どのポイントをチェックしたらよいのかがわからず、管理の仕組みを作ることも難しいでしょう。
その結果、すべての意思決定が社長に依存してしまうのです。
このメルマガでは、社内の活性化について、「社長依存の体質から、従業員が自ら顧客思考を意識しながら自主性をもって行動をしていくこと」だと捉え、それをどのように実現していくのか、実際の事例企業をもとにご説明していきたいと思います。どうぞお付き合いください。
みどり合同経営 コンサルティング部門 副部長
シニアコンサルタント 澤田 兼一郎
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みどり合同経営 コンサルティング部門
中小企業診断士 犬飼あゆみ
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