コラム 管理会計は大企業だけのツールではない! ~気付く力を養う会計~ 第7回:<ステージ1>月次の実績は把握できるが、それにもとづいた管理を行ってない企業(4)-1

 
皆様、こんにちは。
先日、製造業を営んでいるG社の社長から、「製品別の原価を出したいんだけど良い方法はないかな?」と質問されました。

突然の話だったので、「どうして製品別の原価を出したいんですか?」と逆に質問すると、「製品別に見て利益が出ているのかが不安で・・・」という答えが返ってきました。

たいていの場合、売値は製品ごとにわかるので、製品別の原価が分かれば、必然的にその利益もわかります。そこで、「原価が分かれば、それに応じて売値の変更は可能なのですか?」と社長に尋ねると、「売値の変更は難しいですよ。どちらかと言えば、買う側が値段を指定してくるケースがほとんどなので、こちらが売値を調整できるなんて稀ですよ。」という答えが返ってきました。

「それなら、儲かる製品をたくさん売りたいということですか?」と続けて尋ねると、「もちろん儲かる製品があれば、たくさん売りたいですけど、そんな簡単に儲かる製品ばかりは売れないですよ。」と、こちらも違う様子です。

私の次の質問が続かなさそうな雰囲気を、社長が察して、「いえいえ、今の2つの質問が全く違うという訳ではないのですが、私としては、単純に取引先との価格交渉をするのに、製品の原価かいくらで、そこから利益がどれだけ出るかが分からないと、自信を持って交渉できないんですよ。」と切実な顔で私に訴えかけてきました。

 

ものづくりをやる企業にとって、正確な製品原価を出していくためには、製品を作る過程を細かく分析して、どのように原価を積み上げていくかを決めていく必要があります。
そのため、その導入にはかなりの時間と労力がかかりますし、その取り組みが成功するという保証はありません。そのため、失敗するリスクを抱えながら、時間と労力をかけて、その取り組みだけを行うというのは、あまり望ましくはありません。

次回は、原価算定にあたり、失敗のリスクを軽減し、かつ短期的にも効果が期待できる二段構えの取り組みのお話をさせていただきます。

 

みどり合同経営 コンサルティング部門 アカウティンググループ
コンサルタント 萬屋博史
執筆者ご紹介 → http://ct.mgrp.jp/staff/yorozuya/