皆様こんにちは。今年は少し遅かった春の訪れですが、最近になって急に暖かくなり、散歩の気持ち良い季節になりました。美しい花々や鳥たちを見ようと、少し遠出を考えている方もいらっしゃるかもしれません。
そこで今回は、美しい自然を誇る北海道十勝地方での、建設業による自然体験型観光への取り組みについて、ご紹介したいと思います。
十勝地方は東西南北の4つの地域に分けられ、中でも豊頃町と浦幌町からなる東十勝では、奥深い自然が色濃く残っています。自然海岸の原生花園では花が咲き乱れ、原始十勝川の名残である河跡湖では、季節によっては一時に天然記念物を5種類(タンチョウ、オオワシ、オジロワシ、マガン、ヒクシイ)観察できるなど、当地ならではの観光資源があります。
しかし、地域資源が森、川、海などに点在しているため、観光地としての一体性に乏しいことが、これまで観光客を呼び込む上でのネックとなっていました。
そこで、本事業は、東十勝の森林・河川・海浜など個性的な自然環境と北海道開拓の歴史や文化遺産を「トレイル※」という手法を用い、点から線、そして面へとつなげ、地域ならではの体験活動型観光を提案しようというもので、地元の建設業協会からの働きかけで、建設業者、自治体、商工会、観光協会などが幅広く連携して、取り組んでいます。
近年、中高年や団塊の世代のみならず、女子大生などの若い人たちの中にも「歩くこと」が注目されています。このような人々の心理的背景には、「自然に親しみたい」、「健康を維持したい(若い女性であれば、スタイルを維持したい)」、「気持ちにゆとりがほしい」など様々です。
このようなニーズを地域の活性化につなげていくにおいては、ロングトレイルのルート検討のみならず、ルートのメンテナンス、宿泊施設の確保など、建設業者が活躍できる場面が多々ありました。
また、本事業では、建設業の従事者が来訪者に対するガイドまで行ったことなど、様々な場面でリーダーシップを発揮した点が印象的でした。
この辺りは、また次回、詳しくお話しさせていただきたいと思いますので、どうぞ引き続きお付き合い下さい。
※トレイル:歩きながら地域の自然や文化を楽しめる道のことです。
みどり合同経営 コンサルティング部門
中小企業診断士 犬飼あゆみ
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