コラム 「森を核にした町づくりに建設業が貢献~ 高知県ゆすはら その1」を追加しました。

3月に入り、花粉症が本格化している方も多いのではないかと思います。私自身もそうですが、私の回りにも花粉症で苦しんでいる人がとても多いのに驚きます。

その原因の1つに、国内森林の荒廃があるそうです。安価な輸入木材が増え、国内の森林が放置されていることや、そもそも林業の担い手が減少していることなどが影響しているそうです。

そこで今回ご紹介する取組みは、建設業と林業の協働による森づくり・まちづくりです。

場所は高知県高岡郡梼原(ゆすはら)町。梼原町では町域面積の91%を占める豊富な森林資源があり、以前からこの森林資源を活かした町づくりが進められています。2009年3月には「環境モデル都市」に選定され、その際に策定された「梼原町環境モデル都市行動計画」では、森林CO2吸収量を当時の62,000t-CO2から2050年には70,200t-CO2とする数値目標を掲げ、その達成に向けた森の整備が現在進められているところです。

 

しかし、梼原町でも林業就業者の高齢化や木材価格の低迷などにより、林業は厳しい環境におかれています。そこで、建設業が地域の社会資本整備を通じて培った地域資源に関するノウハウと保有する人材・機材を活用し、林業へ副業化することで、環境資源と経済が「循環」する仕組みを、建設業協会と森林組合、梼原町、さらには高知県が連携して実施することとなりました。

 

取組みの流れとしては、以下の通りです。

・既設林道、作業道の修繕(担当:建設業協会)

⇒・修繕を行った既設林道、作業道を利用した間伐作業(森林組合)

⇒・路網整備や間伐作業等で発生した林地残材の集積・選別(建設業協会、森林組合)

⇒・林地残材の搬出(建設業協会)

⇒・林地残材の利用(例:木質ペレットとして利用できる端材は、町内にあるペレット工場へ搬出し、ペレット化してストーブの燃料として利用するなど)。

 

このように、建設業と林業が連携することで、森林資源が循環した低炭素社会が実現されつつあります。次回にもう少し詳しくお話したいと思います。

 

みどり合同経営 コンサルティング部門
中小企業診断士 犬飼あゆみ
執筆者ご紹介 → http://ct.mgrp.jp/staff/inukai/