第18回:<ステージ2>月次の実績を把握しており、かつ、それにもとづいた管理も行っている企業(9)

皆様、いかがお過ごしでしょうか?
今回は、テクニカルな話ではなく、管理会計には想像力も必要だという話です。

この一年間、「教育」という名目で、ある会社の後継者の方(現社長のご子息)
と「財務諸表の読み方」について、ディスカッションを繰り返してきました。
なぜ、そういうことをやってきたかというと、現社長の後継者として、数字か
らも現状を読み取り、打つべき対策は何かということを判断できるようになっ
てほしい、という現社長からの要望があったからです。

最初の数カ月は、前期と当期の損益計算書を比較しながらのディスカッション
をやっていました。

その中で、
「売上から材料費を差し引いた利益の利益率が、前年より低下していますが、
何が原因ですか?」
と私が尋ねると、
「それは担当に聞かないと分からないですね!」
という答えが返ってきました。おそらく私の聞き方がまずかったのだと思い、
「売上から材料費を差し引いた利益の利益率が、前年より低下していますが、
どんな理由が考えられますか?」
と聞き直すと、
「・・・誰か持って帰っちゃったかもしれないな・・・。」
という非常に面白い答えが返ってきました。

私はこの答えを待っていました。利益率が低下した原因が何であるのかを想像
して、「ひょっとしたらこんなところに原因があるのかもしれない!」と思うこ
とで、次に出てくるのは「ちょっと確かめるために調べてみよう!」というこ
とになります。調べた結果、本当に誰かが持って帰っているのであれば、「そこ
は気を付けて見ていかないと!」ということになります。

実は、月次の実績にもとづき管理を行っている企業様であっても、「原因を調べ
て対策をするように!」というところまでで終わっており、しっかりとした対
策のための調査までには至ってない場合も多いようです。

疑問を持って、想像力を働かすことで、管理会計をより有効活用にして頂けれ
ばと思います。

萬屋博史(コンサルティング部長)
執筆者ご紹介 → http://ct.mgrp.jp/staff/yorozuya/

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