第14回:<ステージ2>月次の実績を把握しており、かつ、それにもとづいた管理も行っている企業(5)

皆様、こんにちは。
11月に入り、次第に寒さを感じるようになりましたが、いかがお過ごしで
しょうか?

年末も近くなると、普段よりも様々な方々とお会いする機会が増え、その分、
いろいろな話をする機会も増えますが、個人的には(理由は分かりませんが)
中小メーカーの経営者の方とお話する機会が増えています。

そのような方々とお会いした時に、必ず話に出るのが「設備投資」の話です
が、「引合いが増えてきたから思い切って設備投資しましたが、売上は増え
たけど、利益が思うように増えないんですよ」という話題をよく耳にします。

ある経営者の方とお話をした時に、同じような話が出たので、「償却負担が
多くなったから、思うような利益が出ないんじゃないんですか?」と私が
尋ねると、「もちろん、それはありますが、その分は現金として残るはず
ですよね。残らないんですよ。」と答えが返ってきました。

つまり状況としては、設備投資をして売上は上がったが、現金残高は増え
ないということです。
もちろん設備投資の資金を金融機関から借り入れていれば、返済により
現金残高は増えないかもしれません。しかし、ここで問題となるのは、
その設備が効率的に使われているか否かということです。

製造業が設備投資を行うのは、規模の拡大や効率性の追求等であって、
設備投資をしたは良いけど、効率性が落ちるということはあってはなら
ないことです。具体的に設備投資をした資産が効率的に使われているかを
測る指標として「総資産営業利益率」があります
(「総資産営業利益率」=「営業利益」÷「総資産」)。

「社長、設備投資前の総資産営業利益率と設備投資後の総資産営業利益
率を比べてみてはいかがですか?そうすれば、設備投資をした結果が
現状どうなっているかがわかりますよ。」と私が言うと、「持っている
資産でどれだけの利益を生み出しているか、ということですね。
だとすれば、有形固定資産に対する利益率でも良いのでしょうか?」と
答えが返ってきました。「もちろん、その方がピンポイントで状況が
わかりますよね。良いと思います。」と答えると、早速、会社の経理の
方へ電話をされていました。

設備投資は、その効果を測るのが難しいものですが、特に多くの設備を
必要とする産業においては、その効率性を見極めることが重要となります。
御社の総資産利益率は、いかがですか?

みどり合同経営 コンサルティング部長
シニアコンサルタント 萬屋博史
執筆者ご紹介 → http://ct.mgrp.jp/staff/yorozuya/

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