経営計画の実行性を高めるポイント「一体感」について考えてみる「7. 「一体感」の必要性と作るポイント(6)」を追加しました

前回に引き続き、「(4)取締役の動機付け」について考えていきたいと思います。

 

娘婿の方が、4代目の経営者になり、取締役や幹部の方の動機付けがなかなか進んでいかない事例を簡単に説明いたしました。今回は、その原因について考えていきたいと思います。

 

私どもが感じている原因は、経営者と幹部の関係です。つまり幹部の方が新しい経営者の考え方ややり方を理解はしているものの、前向きに捉え、自ら行動する段階までにはいっていないからということだと思います。

 

現状、売上は、前の状態と変わらず先代経営者や現経営者の個人的なつながりで作っている状態です。外部支援者の目から見ても決して、幹部や従業員の方の実力が低いということはありません。

 

しかも、先代が経営者であったときには、新しい事業をゼロから立ち上げ、現在は収益の柱までになっている、新しいことに取り組み柔軟性と挑戦する気持ちも持っています。

 

また、今の経営者自身の人間性や仕事に対する姿勢も、外部支援者から見ても、特に問題があるようには見えません。

ではその原因は何かというと、今の経営者の考え方や幹部への接し方にあると思われます。要は、今の経営者が、先代の経営者(歴代の一族経営者の経営のやり方)の考え方や幹部の方への接し方、方針の示し方を、認めることが必要だと思います。

 

具体的には、長年培われてきた、この企業の風土、価値をきちんと感じとり、取締役や幹部、従業員がどのような基準で、日常の仕事をこなし、判断しているのかを、見極めるということだと思います。

 

それを尊重した上で、自分自身の考え方や判断基準を、取締役や幹部の方に、時間をかけて伝え、示していくように、接し方を意識することで、少しずつ変化していくのではないかと思います。

 

しかし、現実はそのように進みません。次回は、その点を説明していきたいと思います。

 

みどり合同経営 コンサルティング部門
コンサルタント 澤田 兼一郎
執筆者ご紹介 → http://ct.mgrp.jp/staff/sawada/

 

前回までのレポートはこちらをご覧ください → http://ct.mgrp.jp/column/c02/