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|Q:顧客の与信管理に頭を悩ましています。何かよい方法はありますか? |
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A:与信管理の基礎は、まず顧客の実態把握と信用枠の設定です。
景気の先行き不透明感が増している中、業種に関わらず企業の倒産が懸念されています。今回は、この状況下で、今後ますます重要になってくる顧客の実態把握と信用枠の設定についてお話しします。
与信管理の第一歩は、顧客別の「与信管理カード」を作ることから始めます。
このカードに顧客の情報を記載し定期的に見直し、運用していきます。
カードに記載する内容は、大きく2つに分けられます。
1つ目は、外部から得ることができる情報です。信用調査会社の情報では、顧客の評点に加えて、決算書、登記簿などの定量情報や定性情報、業界の動向なども記載されています。
また、不動産登記簿謄本を入手すると、どういった資産を保有しているのかとか、借入の状況についても推測することができます。入手したデータについては、是非、親しい金融機関担当者や顧問税理士・診断士に相談してみると、有益な情報が得られると思います。
2つ目は、自社で独自に収集した情報です。営業担当者や顧客と直接接する社員などは、普段から顧客に関する情報収集を心掛けます。
「社内の雰囲気が暗くなった」、「経営幹部や経理担当者、優秀な従業員が退職した」、「社長・経理担当者が留守がち(資金繰りに追われている)」・・・。
各業界の団体(協会など)、商工会、法人会、経済同友会、JCなど地域に密着した活動や人脈、また、顧客がよく行く飲み屋での雑談の中からも重要な情報を得られることがあります。顧客の業種によって、外部環境も異なりますので、それぞれの業界誌・業界新聞などから最新の業界動向についての情報を収集することも大切です。
以上のように情報を収集し、与信管理カードを作成、記載できましたら、優良な会社(A)、普通の会社(B)、倒産リスクの高い会社(C)という風にランク付けを行います。
ランク付けは、与信管理カードに記載する各項目に対して点数を付け、その合計点数によりランク付けを行います。第1の情報(外部から収集したもの)の点数割合を7割、第2の情報(自社で収集したもの)の点数割合を3割」といった大まかなやり方で良いと思います。
その上では70点以上は(A)、69点~45点は(B)、44点以下は(C)などとバーを決めます。ランクごとに、信用枠(売掛債権残高の上限を予め設けておく事)の決定を行い、枠内で売掛債権の残高が収まるようにコントロールしていきます。例えば、Cランクの会社は、信用枠を低く設定することや回収条件を厳しく設定し重点的に与信管理を行います。
重要なことは、定期的にランク付けの見直しと信用枠の変更を行うことです。「支払条件が以前より悪くなっていないか」、「変な噂がたっていないか」・・・。素早く、機動的に会議を開いて引っ掛かりを防ぐようにしましょう。
みどり合同経営 コンサルティング部門