私どもみどり合同経営でご支援させていただいております御企業様が、このたび、「ものづくり高度化法」に基づき、特定研究開発計画の認定(関東経済産産業局)を受けました。
高度化法の概要は下記(ご参考)の通りですが、その認定判断では、「技術開発の高度さ」だけではなく、「川下ニーズにマッチしているか」がポイントとなります。そこで、単に「自社にとっての新しい取組み」というだけではなく、世の中にとって新しく、かつ必要とされている技術であることの公的なお墨付きとしても捉えることができるように思います。
それだけハードルも高いため、認定を受けた御企業様にとっては、単なる公的支援措置だけではないメリットがあるようです。
1つには、認定を受けたことにより、研究開発型企業としてのイメージが向上し、大手メーカー等、取引先に対するアピールになるという点があると思います。たとえ相手が技術の詳細が分からない人であっても、公的機関の認定を受けたという事実でもって評価していただきやすいということです。
また、具体的な技術内容がわかる人の目に触れれば、開発資金の提供を受けられる可能性もあるのでは・・・?と更なる進展が期待されるところです。
これは中小製造業様の経営支援をさせていただいている私どもにとっても、大変うれしいニュースですので、ここにご報告させていただきます。
このご支援を通じて、日本のものづくりは中小企業のもつ基盤技術に支えられているということを改めて感じさせられました。また、技術力のある中小企業が、市場のニーズを踏まえつつ、より高度な技術開発に挑戦していくために国の支援制度を上手に活用していくという好事例ではないかと思いますので、以下、簡単にご紹介します。
<認定を受けた研究開発計画>
~超微細プローブピン加工のための超音波振動切削技術の研究開発~ 半導体の検査に使用されるコンタクトプローブのプローブピンの超微細化を可能にするための切削加工技術(超音波振動切削技術)の研究開発を行うものです。 (※)従来の問題点
半導体の小型化・高性能化に伴い、それに使用される半導体のピッチも高密度化しており、同社で切削加工しているプローブピン自体の微細化も一層求められる傾向にあります。
しかし、切削品は小型化すると剛性が不足するため、切削時に歪曲し、寸法精度の確保が難しいという問題がありました。
そこで、本研究開発は、プローブピンが小型化しても、高い寸法精度を確保できる加工技術を開発することを目標にしています。 <㈱田野製作所様プロフィール>
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(ご参考)
■「中小ものづくり高度化法」と支援措置の概要■
(1)中小ものづくり高度化法
国は、中小企業が目指すべき技術開発の方向性と将来ビジョンを「中小企業の特定ものづくり基盤技術の高度化に関する指針」として取りまとめ、その指針に基づいて行う特定研究開発等計画を支援しています。現在、「特定ものづくり基盤技術」には、20技術(プラスチック成形加工、鋳造、鍛造、金属プレス加工、切削加工・・・etc)が指定されています。
中小ものづくり高度化法に基づく支援を受けるためには、第一ステップとして、行おうとしている研究開発を所定の認定申請書にまとめて提出し、この計画が、経済産業大臣から「指針」に基づいた特定研究開発等計画として認定される必要があります。
(2)支援措置
認定を受けた特定研究開発等計画に対しては、次の支援措置が整備されています。ただし、別途、各機関の審査を受けることが必要です。
○日本政策金融公庫からの低利融資 ○中小企業信用保険法の特例 ○商工中金の低利融資 ○特許料等の軽減 ○中小企業投資育成株式会社法の特例 ○戦略的基盤技術高度化支援事業 |
より詳しくは中小企業庁HP(経営サポート「ものづくり中小企業支援」)をご参照ください。