経営計画の実行性を高めるポイント「一体感」について考えてみる「11. 「一体感」とは何から生まれるのでしょうか(まとめ1)」を追加しました

10回にわたり、一体感を高めるポイント5つについて、具体的な事例をもとに説明をしてきました。今回から、会社において一体感がどのようなものなのか2回に亘りお話し、整理した上で、連載のまとめとさせて頂きたいと思います。

私は、一体感とは、会社の下地、基礎の部分となっている企業風土や文化をもとに、作られていくものではないかと感じています。また、企業風土や文化は、創業者から現経営者のトップを中心に、幹部、従業員の方々がその考えに共感し、長年の活動を通じて、作り上げているものだと思っています。

 

その中でも、一番大きな影響力を与えるのは、現経営者の方になるのではないでしょうか。

しかし、事例企業でもあったように、現経営者が、一体感をうまく作りあげていくことが難しい場合があります。おそらく一つの理由としては、創業者でない中小企業の経営者の方にとって、現経営者自身の考え方や個性が、完全に同一化していない企業風土が、すでに企業内に根付いているところに難しさがあるのではないかと、思っています。

私が中小企業様をご支援させて頂くとき、最近とくに意識していることがあります。それは、その企業には、どのような風土や習慣が根底にあるのかということを、まずは感じとるということです。

 

つまり、一体感の下地、基礎となる企業風土や文化を見極めることで、はじめて、実行性を高める一体感のポイントが何かを考えていくことができるからです。実際に風土や文化は目に見え、数値に表せるものではない為、感じとるにも時間が掛かりますし、一体感を構築していくポイントを見出すことは非常に難しいことだと、日々感じています。

まずは、一体感がない、つまり、経営計画の実行性が伴わないと、感じている経営者の方も、自分が身をおいている会社に根付いている風土、文化をゼロベースで感じとってみてほしいと思います。

 

それを感じとり、自分自身の考え方と照らし合わした上で、共感し継続する点、変えていく点を整理することが、スタートだと思います。そして、会社の方向性を明確にし、経営者が求める幹部、従業員像を社内に明確に示し、守るべきものは守り、変えていくものは変えていくことをメッセージとして伝えていくことだと思います。

 

企業風土や文化がベースとなり「一体感」が作られると考えると、実際には、時間も手間も相当要することが分かります。また、企業によって、風土や文化がまったく違うと実感しています。今まで説明したきました5つのポイントを実践すれば即解決、というわけではありません。

 

次回は最終回です。今回を前提として、5つのポイントを再度整理してまとめとしたいと思います。

 

みどり合同経営 コンサルティング部門
コンサルタント 澤田 兼一郎
執筆者ご紹介 → http://ct.mgrp.jp/staff/sawada/

 

前回までのレポートはこちらをご覧ください → http://ct.mgrp.jp/column/c02/